英アズダ シェア巻き返しに1600億円投資

イギリスのアズダ(Asda)。アメリカのウォルマート・ストアーズ傘下のスーパーマーケット。

asda

 

市場調査会社ニールセンによれば、最近、そのアズダがイギリスNo.2の座をセインズベリーに明け渡してしまったという。もちろん、イギリスNo.1のスーパーマーケットはテスコ。

 

3番手に後退したアズダが、このほど巻き返しに向けて5カ年計画を策定。低価格戦略とオンライン販売強化のために10億ポンド(約1600億円)を投資する。

 

アズダCEOのアンディ・クラーク氏は「我々の戦略は価格と価値に基づいたもの。マーケットを根本から再構築し、小売りの価値を再定義する」と語る。

 

アズダは親会社ウォルマートと同様にエブリデー・ロープライス(EDLP)を実践している。CMO(最高マーケティング責任者)のスティーブン・スミス氏は、ライバル企業のプライスマッチング政策を“反競争的”であるとし、「いつでも10%安く売ると言っているのは我々だけ」と主張する。

 

アズダは今回の1600億円に上る投資をテコに、テスコ、セインズベリー、モリソンズの3大ライバルに対して価格優位性を拡大し、一方、アルディやリドルといったドイツ系ディスカウンターとはその差を縮めることで、2015年からシェアを挽回したいとしている。さらに5カ年計画には、商品の品質とデザインに対する2億5000万ポンド(約400億円)の追加投資が含まれている。

 

オンラインで注文した商品を、お客が好きなときに店舗で受け取ることができる”click and collect”のサービス提供店舗も、現在の250店から1000店に拡大する予定。ネット売上高も現在の1600億円から、2018年までに3倍の4800億円程度まで増やす計画だ。

 

また、ロンドンなどを中心に出店して店舗数を拡大し、アズダとイギリス国民の接触率を現在の53%から70%まで高める。

 

クラークCEOは、小型のエクスプレスストアの出店も視野に入れているが、5カ年計画が終了に近づくまでは着手しない方針。イギリスではこれからの5年間も可処分所得が伸びない厳しい状況が続くと読んでおり、アズダの強みであるEDLPの徹底に注力する考えだ。

 

 

検索キーワード: アズダ(Asda) エブリデー・ロープライス(EDLP)

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