米マクドナルド サービス品質低下に危機感

外食業界の巨人・アメリカのマクドナルドが悩んでいる。

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14日のウォールストリート・ジャーナル電子版の記事によると、同日開かれた投資家のためのミーティングでマクドナルドUSAのジェフ・ストラットン社長は、次から次へと投入した新商品や期間限定商品が店舗オペレーションを複雑にし、サービス・スピードの低下をもたらしたと認めた。

 

マクドナルドUSAは今年の3月から7月の間だけでも、「プレミアム・マックラップ」「エッグ・ホワイト・ディライト・マックマフィン」「ブルーベリーとザクロのスムージー」「クォーター・パウンダーの新商品」をメニューに追加した。ストラットン社長は「いまから思えば、もっと熟考すべきだった」と語った。

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アメリカのファストフード業界誌QSR Magazineが毎年実施しているファストフードレストランのドライブスルー・パフォーマンス調査が先月公表された。マクドナルドのサービス提供時間は189秒49と調査開始以来15年間で最も遅い結果となった。ちなみに最も速かったのはウェンディーズで133秒63。

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マクドナルドは事態打開策を練っている。来期はアメリカ国内店舗のリモデル計画をペースダウンする代わりに、全店舗1万4000店に新しい作業台を導入する。新しい作業台は、より多くの材料をのせて素早く商品をつくることができるように設計されている。

 

さらに、クルーメンバーのトレーニングを強化するほか、来年早々には顧客の不満を直接店舗に伝えるフィードバックシステムをアメリカ国内全店に導入し、素早い問題解決を図る。というのも、フランチャイジーから顧客の不満が増えているとの声があがっているからだ。厨房のオペレーション低下から、特にランチタイムに行列ができ、顧客が離れる原因となっている。

 

マーケティングの大家セオドア・レビットはかつて、マクドナルドの成功の要因を「サービスの工業化」にあると説いた。それは外食のオペレーションを、T型フォードの生産システムのような流れ作業に変えたことだった。

 

いまマクドナルドが悩んでいる問題を解決することは、その強さの源泉に立ち返ることにほかならない。

 

検索キーワード: マクドナルド オペレーション

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