米国12月商戦は意外にも店頭販売も健闘!
アメリカ小売業の2013年12月商戦。
Eコマースの圧倒的な勝利が予想されたが、
しかしオフラインの店頭での売上げも、
一昨年12月よりも増加した。
もちろんアマゾンを始め、ウォルマートのオンライン販売まで、
受注は多かったが、クリスマス当日の遅配問題が多発。
アマゾンもウォルマートも謝罪のためのギャランティに大わらわ。
店頭での販売動向を調査分析するユークリッド・アナリシスの報告。
2500万件の米国内ショッピングData。
まず12月の来店客数は11月よりも4.0%増加した。
アメリカでは11月にサンクスギビング週間があるから、
日本ほど12月に比べて客数が劣るものではないが、
4%のプラスを見た。
そしてこれは前年度からは8.6%の増加。
店頭プロモーションの強化が奏功したと分析されている。
スマートフォンのWiFi機能を活用して、
顧客の追跡が可能となる。
つまりスマホを携帯した消費者が店舗の前を通る。
そのうち、どれだけの割合の人が店内に入ってきたかを調査することができる。
これを「ウィンドウ・コンバージョン」と称するが、
この指標によって12月商戦の詳細が判明した。
11月のウィンドウ・コンバージョンは8.8%だったが、
12月は8.9%に、わずかながらもアップした。
前年度は7.5%だったから、前年比では1.4ポイントの向上。
Eコマースの大盛況を鑑みると、これは大健闘ということになる。
スマホ分析機能によって、
入店後5分以内に退店した割合も判明している。
これを「バウンス・レート」、日本語にすると「直帰率」と称するが、
バウンス・レートは12月に10.3%。
一昨年12月の9.9%からは悪化したが、
11月の11.7%よりは改善した。
退店比率だから増減の率は逆になって、
感覚が反対になる。
スマホ機能を使うと平均買い物時間も判明する。
12月の平均買物時間は22.2分。
一昨年12月の22.5分より、0.3分短くなったが、
昨年8月以降では、当然ながら最長だった。
12月の前半の買物時間は短かったが、後半回復しており、
特にクリスマス前の週は長くなり購入も増えている。
再来店率もわかる。
「アクティブ・リピート・カスタマー」と呼ぶ。
この30日以内に再度来店した比率は、
昨年12月が12.4%。
前年度からは0.5%マイナスだったが、
11月に比べると0.5%ポイント増加。
さて最後に12月で最も忙しかった日。
クリスマス直前の土曜日の12月21日。
「スーパー・サタデー」と呼ぶ。
12月最大の客数をはじき出したし、
店鋪滞在時間も異常値を記録。
反対にウィンドウ・コンバージョンが最悪で、
バウンス・レートが最高になった日は、
12月2日の月曜日。
サンクスギビング週間の最大繁忙日ブラック・フライデーの直後の月曜日。
しかしインターネット販売の年間最大日「サイバー・マンデー」の日だった。
アメリカの12月の店頭オフライン販売。
ネットのオンライン販売に大きく影響されたが、
意外にも大健闘だった。
それが判明したのは消費者が携帯するスマホ情報。
こういった情報収集と分析こそ、
オムニチャネル活用のマーケティングと考えることができる。