米国ダラーゼネラルの第1四半期増収増益で、ウォルマートに皮肉のコメント
アメリカのダラーストア第1位のダラージェネラルは好調をキープしている。
5月2日で締めた第1四半期の売上高は45億2208万ドルで、前年同期比で6.8%の増加。
1ドル100円換算ならば4522億円。
既存店売上高も1.5%の増加。
営業利益にあたる純利益は2億2,240万ドルで1.1%の増加。
ダラーゼネラルは増収増益。
一方、第2位のファミリーダラーは既報の通り、第2四半期の売上高前年同期比6.1%マイナス。
27億1662万ドルで、四半期売上げはダラーゼネラルの半分。
最終営業利益は9087万ドルで35%マイナス。
ファミリーダラーは減収減益。
まさに1位が明で、2位が暗。
ダラーゼネラルの第1四半期の粗利益率は30.0%で、これは前年同期比マイナス0.57ポイント。
一方、販売管理費は21.6%で、0.3ポイントの増加。
だから営業利益率は減少したが、それでも8.4%という驚異的な数字だ。
粗利益の減少の理由は、消耗品〈Consumables〉の売上構成比が増加した結果である。
消耗品の代表はグロサリーで、Consumablesの売上げは34億4547万ドル。
前年同期比7.8%の増加。
次に売上構成比が多い季節品〈Seasonal〉は5億4143万ドルで、2.3%の増加。
さらに家庭用品〈Home products〉は2億8340万ドルで、これは6.8%のプラス。
そして最後にTシャツをはじめとする軽衣料〈Apparel〉は2億5159万ドルで3.2%の増加。
ダラーストアの全体像は、この商品構成でよく理解できる。
この業態も食品を扱い始めて、その中のグロサリーの売上げが増えている。
ドラッグストアと同様の傾向を示す。
しかしそれが全体の粗利益率を下げるという現象を見せる。
食品の扱いは、両刃の剣なのである。
ダラーゼネラルの第1四半期の新店開発は214店舗。
13週91日間で214店であるから、1日に2.35店をオープンさせている。
今年度全体では700店舗の新規開店計画で、最終的に1万1338店となる。
リック・ドレーリングCEOは、コメントする。
「悪天候と競争激化でも業績の改善が達成できた」。
これはウォルマートに対する、ある種の皮肉だ。
ウォルマート第5代CEOのダグ・マクミロンが、第1四半期の営業成績に関して、
「悪天候が米国内販売に打撃を与えた」と述べているからだ。
ダラーゼネラルとアマゾン・ドットコムがウォルマートの目の上のたんこぶ。
ダラーゼネラルCEOのドレーリングの発言は続く。
「客数、客単価とも成長しており、お値打ちと買いやすさというわが社のマーチャンダイジングの特徴が顧客から支持を受けている」。
そして第2四半期には非食品の売上高増加が顕著になっていることを表明する。
これはつまり、粗利益率の改善の目途が立ったことを示している。
「通年予測は変わっておらず、長期的な戦略が正しいと信じている」。
自信をのぞかせるダラーゼネラル。
超大型のウォルマート・スーパーセンターが1万平方フィートの小型店のダラーゼネラルに取り囲まれて、少しずつ売上げをむしり取られている。
日本では総合スーパーやスーパーマーケットが、コンビニやドラッグストアに苦戦している。
大型店と小型店の競争は、日米ともに同じ構造である。
〈結城義晴〉
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