アスクル、医薬品ネット専門店「ロハコドラッグ」で第1類医薬品の販売開始

アスクル(株)(社長:岩田彰一郎)は、インターネット通販サービスを展開している。
名づけて「LOHACO」だが、その中で医薬品専門店「ロハコドラッグ」をもっている。
この
「ロハコドラッグ」で、6月11日午後6時から第1類医薬品の注文受付を開始。
6月12日午前10時からは販売を開始する。

●ロハコドラッグサイト
http://lohaco.jp/shop/drug/

lohaco

LOHACOはヤフー(株)(代表取締役社長:宮坂学)の協力のもと運営する一般消費者向けサイト。

アスクルはLOHACOサイト内で、すでに2013年6月から第3類医薬品の販売を、同年10月には第2類医薬品の販売を開始している。今回の第1類医薬品の販売は、「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律」および関係法令(改正法等)が施行されることに伴ったもの。

 

 

つまり、今月12日から施行される改正薬事法によって、下記の通り第1類医薬品のネット販売が解禁される。〈厚労省資料より〉

kasieiyakujihou

 

もちろん、改正法等においては、インターネット販売における体制や情報提供について厳しいルールが定められている。

kasieinet

しかし、規制に準拠する仕組みさえ構築すれば、ニーズの多かった第1類医薬品の販売ができる。

医薬品のネット販売解禁は、ケンコーコム(代表取締役社長:後藤玄利 氏)とウェルネットが、2009年5月25日、 市販薬の通販サイト販売を規制した厚労省令は憲法違反として、行政訴訟を起こしたことに端を発する。 一審では敗訴するも、二審(東京高裁:2012年4月26日)では、一転、ネットショップ販売を認める判決が下りる。 厚労省の最高裁への上告が棄却され、ケンコーコムとウェルネットの勝訴。事実上、ネット解禁へと業界は動き出した。

すべての大衆薬のネット販売を解禁すると表明していた安倍晋三首相の下、2013年11月12日には、政府が一部品目を規制する薬事法改正案を閣議決定。薬事法改正の動きはスピードアップ。今回の薬事法改正、施行となった。

厚労省は12日に施行する改正薬事法では、約1万1000品目あるとされる市販薬の99.8%についてネット販売を解禁する。

一方で、医療用から転用されて市販期間が短く副作用リスクが不明な市販薬など計20品目を「要指導医薬品」に指定し薬剤師による対面販売を義務づける。、花粉症などのアレルギー用鼻炎薬「アレグラFX」「コンタック鼻炎Z」などが含まれる。これら「用指導医薬品」は、原則3年の評価期間後に安全性が認められれば、ネットでも販売できるようになる。

ただし劇薬指定薬は無期限にネット販売を禁止する。

 

医薬品のネット解禁論争は、今回の改正によって一応の決着を見た。酒類販売もそうだが、免許制度や既得権で守られている商品ほど、解禁された後のマーケットの変容は激しい。医薬品は安全が第一とされるし、安全・安心な販売体制の構築がなされなければならないが、お客が便利であると判断すれば、ネット購入へのシフトは加速化するだろう。

ただし、リアル店舗へのニーズが減少するわけではない。
ドラッグストア企業が、リアル店舗とネットとの融合を適切に構築できれば、有店舗の強みはさらに増す。それだけは確かだ。

 

 

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