5月百貨店売上速報|前年反動で4社ともに大幅増収/客数回復・高額品好調

主要百貨店4社の5月売上高が発表された。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比203.1%、大丸松坂屋百貨店は189.2%、阪急阪神百貨店は299.8%、高島屋は166.6%だった。4社ともに大幅増収だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は前年同月比203.1%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比223.1%、日本橋本店は201.9%、銀座店は234.4%、立川店は205.1%、浦和店は106.6%と伸長した。

前年の休業反動の影響が大きかった首都圏三越伊勢丹が中心となって売上を牽引した。特に、伊勢丹新宿本店は前月同様にコロナ前の実績を高水準で上回るほか、国内グループ百貨店計の売上前年比は4カ月ぶりに2桁増となった。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、宝飾・時計・ハンドバッグ・財布はコロナ前水準比でも2桁増だった。前月に続き外出機会の増加から購買意欲は高く、夏物衣料や服飾雑貨が好調だった。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、山本良一社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が前年同月比186.2%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では既存店181.7%。前年の臨時休業の反動や入店客数の回復もあり、全店舗が前年実績を上回った。

商品別では、ラグジュアリーブランドや美術・宝飾品が好調だったほか、食料品もゴールデンウィークの帰省土産を中心に売上を伸ばした。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は対前年225.6%増(客数214.6%増、客単価3.5%増)だった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は前年比299.8%。阪急本店が前年比602.3%、阪神梅田本店が506.5%だった。

前年は、緊急事態宣言に伴い営業制限をしていた反動もあり、売上高は大幅に前年実績を上回った。3年ぶりとなる行動制限のないゴールデンウィークは、特に阪急・阪神両本店で、若年層やファミリー層を中心に賑わいを見せた。4月末以降10日間の売上高は、ほぼ2019年並みにまで回復した。

インバウンドを除く国内売上高は、2019年対比104%と実績を上回り好調だった。特に、阪神梅田本店については、売上高・国内売上高ともに2割近く上回った。インバウンドを除く国内売上高の2019年対比(月累計)は、103%とコロナ前の水準を上回った。なかでも、阪急・阪神両本店はそれぞれ113%と、2桁増の結果となった。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年比166.6%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比163.3%だった。

前年度の一部店舗における生活必需品売場を除いた休業の反動や、外出機会の増加に加え、高額品が引き続き好調に推移したことから、前年実績を上回った。商品別売上高では、全商品群が前年実績を上回った。

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