1月百貨店売上速報|4社とも2桁増収/初売り、ラグジュアリーが好調
主要百貨店4社が1月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比124.5%、大丸松坂屋百貨店は120.8%、阪急阪神百貨店は121.6%、高島屋は117.2%だった。4社とも大幅に伸長した。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は、前年同月比119.8%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比125.0%、三越日本橋本店は121.1%、三越銀座店は142.0%、伊勢丹立川店は113.2%、伊勢丹浦和店は111.0%と首都圏全店で前年を上回った。
首都圏を中心に引き続き高付加価値商品が売上げを牽引し、前年比は㈱三越伊勢丹計で124.5%、国内百貨店計で119.8%だった。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、10カ月連続で2018年を上回る実績で推移している。
1月2日~10日のクリアランスは、気温低下の後押しもあり、婦人・紳士の重衣料を中心に売上げが伸長した。加えて先月までと同様に、ハンドバッグや宝飾・時計、ラグジュアリーブランド等のプロパー商品の売上げ好調が全体を押し上げた。
クリアランス後は、春物の展開拡大に伴い、薄手のコートや卒入学ニーズによるジャケット・ドレス等の動きも出てきた。
免税売上げは10月の入国制限の緩和以降、首都圏店舗を中心に堅調に推移、非免税売上げと同様に高付加価値なアイテムへの関心が高い。なお、1月21日~27日の春節期間中の目立った客数増加は見られなかった。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比120.8%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では120.1%。
初売りが堅調にスタートし、中旬以降の寒波により婦人・紳士コートが活発に動いた。ラグジュアリーブランド、美術宝飾品も好調を持続した。
店舗別では、15店舗中13店舗で前年実績を上回った。入店客数の回復に伴い、ターミナル店舗である東京店、梅田店が高い増率を示した。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、対前年657.9%増(客数同3489.2%増、客単価同78.9%減)だった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比121.6%。阪急本店では121.0%、阪神梅田本店が169.5%だった。
初売りから来店客数は堅調に推移し、それに伴い売上高は前年実績を大幅に上回った。都心店が売上高合計で前年比127%と好調だった。
阪神梅田本店は、前年に建て替えグランドオープンに向けた工事の影響で4日間臨時休業した反動もあり、売上高が前年比約7割増と高伸した。
売上高の2019年1月対比は98%、インバウンドを除く国内売上高対比は97%だった。阪急本店は2019年対比102%、阪神梅田本店は113%といずれもコロナ前水準を上回った。免税売上高は、引き続き韓国・香港・台湾からの顧客の買上げが好調に推移し、2019年1月対比で実績を上回った。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年同月比117.2%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比116.3%となった。
1月度の店頭売上げは、前年度のまん延防止等重点措置の反動に加え、高額品やインバウンドの売上げが引き続き好調だったことにより、前年実績を上回った。商品別売上げでは、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年実績を上回った。