2月百貨店売上速報|4社とも2桁増収/高額品、バレンタイン商戦が好調

主要百貨店4社が1月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比135.8%、大丸松坂屋百貨店は126.6%、阪急阪神百貨店は130.9%、高島屋は117.2%だった。4社とも大幅に伸長した。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は、前年同月比130.3%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比141.1%、三越日本橋本店は128.1%、三越銀座店は144.3%、伊勢丹立川店は123.7%、伊勢丹浦和店は116.8%と首都圏全店で前年を上回った。

首都圏を中心に引き続き高付加価値商品が売上げを牽引し、前年比は㈱三越伊勢丹計で135.8%、国内百貨店計で130.3%だった。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、11カ月連続で2018年を上回る実績で推移している。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグに加え、ラグジュアリーブランドの春物衣料も好調に推移している。また、お得意様向けのイベントやバレンタイン催事も前年実績を大きく超え、売上げを押し上げた。

免税売上げは首都圏店舗を中心に堅調に推移し、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ、衣料品、宝飾への関心の高さが継続している。


J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比126.6%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では126.3%。

2月度の売上高は、感染者数拡大により多くの都道府県でまん延防止重点措置が適用されていた前年の反動増があった。それに加え、人流が回復して高額品だけでなくファッション商品全般にも活発な動きが見られたこと、バレンタイン商戦も好調に推移した。

店舗別では、15店舗中14店舗で前年実績を上回った。引き続きターミナル店舗である東京店、札幌店、梅田店が高い増率を示した。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、対前年344.1%増(客数同4498.4%増、客単価同90.3%減)だった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比130.9%。阪急本店では130.6%、阪神梅田本店が176.4%だった。

1月中旬以降、新型コロナウイルス感染者数の逓減、および来店動機につながるバレンタインなどのモチベーション商戦の活況により、来店客数が順調に推移した。「まん延防止等重点措置」が適用されていた前年の反動も重なって、売上高は前年比3割増と高伸した。特に都心店の売上高が前年比約4割増と牽引した。

売上高の2019年2月対比は102%、インバウンドを除く国内売上高対比は106%といずれもコロナ前を上回った。阪急本店は2019年対比106%(同国内売上高対比112%)、阪神梅田本店は大型催事の会期のずれの影響で93%(同96%)だった。

免税売上高は、引き続き韓国・台湾・香港の訪日客の買上げが好調に推移したが、2019年の春節が2月だった影響もあり、実績に対して72%だった。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の10店舗で既存店前年同月比118.5%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比119.6%となった。

2月度の店頭売上げは、前年度のまん延防止等重点措置の反動に加え、グジュアリーブランドをはじめとする高額品や訪日外国人客の売上げが引き続き好調だったことにより、前年実績を上回った。

商品別売上げでは、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子ども情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年実績を上回った。

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