3月百貨店売上速報|4社とも2カ月連続で2桁増収/高額品・春物衣料が好調
主要百貨店4社が2月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比122.9%、大丸松坂屋百貨店は116.9%、阪急阪神百貨店は120.8%、高島屋は110.9%だった。4社とも、2カ月連続で2桁伸長した。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で116.5%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは124.8%、三越日本橋本店は118.3%、三越銀座店は139.7%、伊勢丹立川店は107.6%、伊勢丹浦和店は105.5%と首都圏5店で既存店122.9%の前年クリア。両本店を中心に、高付加価値商品の売上げが牽引した結果だ。
とくに伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、12ヵ月連続で2018年度を上回る実績で推移している。2022年度累計では、1991年度の過去最高実績を上回る見通しとなっている。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比116.9%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では116.5%となった。
3月度も前年のまん延防止重点措置による反動増があった。また、春の新生活のオケージョン需要などによりジャケットやブラウスなどが活発に動いた。ホワイトデーや花見需要などによって食料品も好調だった。ラグジュアリーブランドや美術宝飾品は好調が持続している。
店舗別では、15店舗中12店舗で前年実績を上回った。入店客数回復が著しい東京店は37.2%増、ラグジュアリーブランドが好調な心斎橋店では32.5%増と、3割超の伸び率を示した。また免税売上高は、対前年438.8%増(客数3445.8%増・客単価84.8%減)だった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比120.8%。阪急本店では114.9%、阪神梅田本店が180.4%だった。
春のファッションや各種ギフトなどの購買意欲が高く、好調に推移した。2019年3月比では、売上高は106%、インバウンドを除く国内売上高対比は109%と、前月に続いていずれもコロナ前を上回った。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の10店舗で既存店前年同月比110.9%、国内百貨店子会社3社を加えると110.5%だった。
3月度の商品動向は、引き続き高額品が堅調に推移し、春物衣料雑貨も動いた。商品別売上高では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、呉服、スポーツ、リビング、食料品、食堂が前年実績を上回った。
さらに免税売上高が前年比276.5%増と押し上げたことにより、店頭売上高は前年実績を上回った。