9月百貨店売上速報|コロナ前を上回る売上高で4社とも2桁伸長

主要百貨店4社が9月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比117.7%、大丸松坂屋百貨店は117.4%、阪急阪神百貨店は126.2%、高島屋は112.8%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国百貨店売上げ合計は前年同月比で117.7%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは124.6%、三越日本橋本店は115.3%、三越銀座店は141.1%、伊勢丹立川店は103.5%、伊勢丹浦和店は100.4%と首都圏5店で既存店121.8%と二桁増で好調だった。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、お得意様向けのイベントや外国展催事の実施により、売上げが大きく伸長した。また、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に秋物軽衣料(カットソーやセーターなど)やハンドバッグ・宝飾への関心の高さが継続している。免税売上高はラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などが好調で、東京・札幌・福岡の店舗を中心に大きく伸⾧したことで、8月に引き続き国内百貨店計(既存店)で、コロナ前の2018年同月実績を超えた。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、18カ月連続で2018年度を上回る実績で推移しており、これまで9月単月での売上げが過去最高だった2019年9月実績をも上回った。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比117.4%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも117.6%となった。

9月度の売上高は、厳しい残暑による秋物の衣料品へのマイナス影響があったものの、ラグジュアリーブランド、化粧品が引き続き好調に推移したことに加え、旅行用品、アクセサリーも好調に売上を伸ばした。

店舗別では、15店舗中13店舗が前年を上回った。訪日外国人売上げが好調の心斎橋店は、前年の1.5倍の高い増率を示した。

免税売上高は、対前年372.9%増(客数1699.9%増、客単価73.7%減)だった。



エイチ・ツー・オーリテイリング(株)
(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比126.2%。阪急本店では126.0%、阪神梅田本店が158.6%だった。

前年は台風により、3連休を中心に関西と福岡の店舗が時短営業や臨時休業を実施した。その影響の反動に加え、インバウンドも含めて来店客数が順調に推移し、都心店各店の売上高が前年に対して2桁の伸びを示した。中でも両本店と、前年に台風の影響が大きかった博多阪急の売上高前年比が高伸した。

阪神タイガースが18年ぶりにリーグ優勝を果たし、阪神百貨店各店では15日からの1週間、祝賀セールを実施した。阪神梅田本店では、前年4月の建て替えグランドオープン以降、過去最高となる週間売上げと来店客数を更新した。月間での売上高前年対比も約1.6倍と高伸した。

売上高の2018年対比は127%、インバウンドを除く国内売上高対比118%と、コロナ前水準を大きく上回った。中でも阪急本店は2018年対比132%(同国内売上高対比117%)、阪神梅田本店は172%(同173%)といずれも大きく伸長した。免税売上高は、4カ月連続で単月として過去最高を更新した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の10店舗で既存店前年同月比111.5%、国内百貨店子会社3社を加えると112.8%だった。

9月度の店頭売上高は、国内顧客・インバウンドとも好調に推移したことから、前年・2018年を上回った。とくに、免税売上高は、前年比239.0%増、2019年比55.3%増と大きく伸長し、 全体を押し上げた。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、岡山店が前年実績を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、リビング、食料品が前年実績を上回った。

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