6月百貨店売上速報|4社とも増収/ラグジュアリーなどが好調

主要百貨店4社が6月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比119.0%、大丸松坂屋百貨店は120.2%、阪急阪神百貨店は125.5%、高島屋は117.1%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で119.0%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは128.6%、三越日本橋本店は117.2%、三越銀座店は139.2%、伊勢丹立川店は104.9%、伊勢丹浦和店は97.6%。首都圏5店で既存店124.2%と二桁増で好調だった。両本店・三越銀座店の3店舗は、ともに12カ月連続でコロナ前の2018年度を上回っている。

ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品、ハンドバッグ、宝飾・時計、化粧品などが引き続き好調だった。気温上昇に伴ってサングラス、ブラウス、パンツなどの夏物アイテムへの関心も高くなった。

免税売上げは単月最高売上高を記録した5月に続き2番目に高い実績となった。全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高い。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比119.8%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも120.2%となった。

6月度の売上高は、気温の上昇に伴いパラソル、サングラスやUVケア商品などが活発に動き、ラグジュアリーブランドや化粧品も好調を持続した。また外商売上げも対前年2桁増となるなど好調に推移した。

店舗別では、15店舗中14店舗が前年実績を上回った。心斎橋店が対前年3割増となったほか、京都店、札幌店、博多大丸も2割超の増収となった。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、名古屋店、札幌店、京都店などが高い伸び率を示し、好調店舗が全国に広がっていることなどから、対前年135.9%増(客数同93.8%増、客単価同21.7%増)となった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比125.5%。阪急本店では135.7%、阪神梅田本店が108.4%だった。

全国的に梅雨入りが遅れ、真夏日が昨年よりも多いこともあり、都心店を中心に盛夏ファッションが活況で、全店売上高は前年に対して約3割増と実績を大きく上回る結果となった。中でも、免税売上高の伸長もあり阪急本店と博多阪急が全体を牽引した。

6月に入り、各店の店頭で順次お中元ギフトセンターを開設した。ビール、飲料などの定番商品が堅調ななか、特にアイスクリームなど暑い夏を意識した商品が前年以上に伸長した。また送料込みの産地直送ギフトも前年を上回り、全体として前年並みの売上げで推移した。

免税売上高は前年に対して約2.7倍、阪急本店も約2.7倍と引き続き好調で、同月の売上高では13カ月連続で過去最高を更新した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比117.2%、国内百貨店子会社3社を加えると117.1%だった。

6月度の店頭売上高は、前年比117.1%、2019年比120.8%、2018年比121.9%といずれも上回った。国内顧客では、梅雨に入ったことで晴雨兼用傘や、寒暖差対応のジャケットなどに動きが見られた。また、インバウンドでは、引き続きラグジュアリーブランドを中心とする高額品が伸長し、全体を押し上げた。免税売上高は、前年比219.6%、2019年比258.3%、2018年比237.2%と大きく伸長し、全体を押し上げた。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、EC店、岡山店、岐阜店、高崎店が前年実績を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子ども情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、サービスが前年実績を上回った。

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