10月百貨店売上速報|4社とも増収/気温低下で秋冬アイテム好調

主要百貨店4社が10月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比104.3%、大丸松坂屋百貨店は109.3%、阪急阪神百貨店は105.0%、高島屋は108.6%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で104.3%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは104.8%、三越日本橋本店は113.1%、三越銀座店は105.7%、伊勢丹立川店は97.6%、伊勢丹浦和店は98.1%。首都圏5店で既存店105.9%となった。

国内顧客売上は、三越伊勢丹・カスタマープログラムの全ステージで前年を超え、特に年間300万円以上のステージが大きく伸長した。また10月後半の気温の低下もあり、防寒アイテムが好調に推移。独自性のあるイベントも内覧日や特定顧客向けサービスが奏功し、売上増に貢献した。

海外顧客売上は、客単価の改善により前年実績を上回った。CRM施策(海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」によるインセンティブなど)も利用拡大につながった。アイテムでは、時計・化粧品などの関心が高かった。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比109.3%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも108.2%だった。

10月度の売上高は、訪日外国人売上が前年実績を大幅に上回ったことに加え、外商売上が好調を持続したほか、気温が急に低下したことにより秋冬物衣料品が動いたことなどから、前年実績を上回った。

店舗別では、15店舗中11店舗が前年を上回った。改装効果が持続している名古屋店や免税売上が好調な心斎橋店が対前年2桁増となったほか、梅田店、東京店、神戸店などが対前年プラスとなった。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、10月前半の国慶節期間中にとどまらず、月度を通じて大きく売上を伸ばしたことなどから、対前年18.9%増(客数19.1%増、客単価同0.2%減)となった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比105.0%、阪急本店が104.9%、阪神梅田本店が112.9%だった。

阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖のマイナス影響が継続するなか、国内売上高は前年を上回り好調。また免税売上高も前年に対し約1割増と高伸し、全店計、都心店計、郊外店計ともに前年の売上高を上回った。免税売上高は、国慶節期間およびそれ以降も好調を継続し2025年2月以来の前年実績を上回る結果となり、10月として過去最高の売上高となった。

阪神梅田本店は、5月の改装で導入したファッションブランドや大型専門店が引き続き好調なことに加え、11月のリニューアル完成に向けて改装が進む食品売場も徐々に売場移設や新ショップオープンが進み、店舗全体として前年売上高に対し約1割増と高伸した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比108.6%、国内百貨店子会社3社を加えても104.4%だった。

9月度の店舗別売上高は、大阪店112.2%、京都店110.4%、日本橋店109.9%、横浜店106.4%、新宿店104.1%、玉川店115.8%、大宮店106.9%、EC店117.2%と7店舗で前年実績を上回った。

紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、 リビング、美術、食料品、食堂が前前年実績を上回った。

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