11月百貨店売上速報|4社とも増収/気温低下で秋冬アイテム好調
主要百貨店4社が11月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比100.6%、大丸松坂屋百貨店は109.3%、阪急阪神百貨店は105.0%、高島屋は103.7%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で100.6%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは101.5%、三越日本橋本店は104.0%、三越銀座店は98.6%、伊勢丹立川店は100.6%、伊勢丹浦和店は98.2%。首都圏5店で既存店101.4%となった。
気温の低下とともに、カシミヤなどの上質素材のコート・セーターやブルゾンといったシーズンアイテムが堅調に推移。また、商品供給力に強みのある高額時計についても、国内顧客・海外顧客ともに売上高が大きく伸長した。
国内顧客は引き続き識別顧客がけん引しており、海外顧客においても、海外外商を中心に同社と繋がった個客の売上が伸長しており、海外顧客向けアプリも含めたCRM戦略の効果・必然性が高まっている。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比105.1 %。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも104.2%だった。
11月度の売上高は、外商売上が好調を持続したほか、気温の低下に伴い秋冬物衣料品が活発に動いたことなどから、前年実績を上回った。
店舗別では、15店舗中12店舗が前年を上回った。外商売上が好調な心斎橋店は対前年2桁増となったほか、神戸店、梅田店、東京店、芦屋店などが対前年プラスとなった。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、客数、客単価ともに前年実績を上回ったことから、対前年13.6%増(客数同9.9%増、客単価同3.4%増)となった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比103.6%、阪急本店が100.7%、阪神梅田本店が123.3%だった。
阪急本店の大型改装に伴う売場閉鎖のマイナス影響が依然継続するなか、国内売上高は前年を上回り好調。全店計、都心店計、郊外店計ともに前年の売上高を上回った。一方、免税売上高は前年割れ。中国の顧客の免税売上高は月間としては前年を上回ったが、日中関係の緊張の高まりの影響もあり、11月後半は海外VIP顧客以外の観光客の売上高が約2割減と前年を大きく下回った。
阪神梅田本店は、地下1階と1階の食品フロアがリニューアルオープンした。全国各地のローカルフードの品揃え拡充や、全国初出店ブランドなど話題性の強化により、食品物販の売上高が約2割増と前年を大きく上回り、店舗全体として前年売上高に対し約2割増と高伸した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比103.7%、国内百貨店子会社3社を加えても103.5%だった。
11月度の店舗別売上高は、大阪店107.1%、京都店106.0%、泉北 店100.7%、日本橋店103.0%、新宿店100.9%、玉川店108.5%、大宮店102.8%、柏店100.8%、EC店115.5%と8店舗で前年実績を上回った。
紳士服、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子供情報ホビー、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を上回った。
