イケアnews|2030年までの目標に対する進捗状況をまとめたレポートを公開

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ホームファニッシングカンパニーのイケア・ジャパン(株)(千葉県船橋市、ペトラ・ファーレ社長兼CEO)は 6月9日(木)、「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」という2030年までの戦略に対する進捗状況をまとめた「サステナビリティレポート FY21(日本語版)」と、気候変動への戦略と取り組みをまとめた初の「クライメートレポート(日本語版)」を公開した。FY21は2020年9月1日から2021年8月31日までの2021事業年度。

サステナビリティレポートFY21とクライメートレポートには、世界中で12社展開するイケアのフランチャイズシステム、原材料の調達から製品の製造、そして製品の破棄までの一連の流れを指すバリューチェーンにおける取り組みが網羅されている。一方、クライメートレポートは、新たな試みとして今年度初めて制作された。

イケアが掲げる2030年までの大きな目標は、人だけでなく社会、地球という家に対して、ポジティブな影響をもたらす「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」な状態になること、そして、多くの人々が限りある資源のなかでより快適な暮らしを実現できるよう、インスピレーションを提供し、その力となることだ。

イケアでは、「ピープル・アンド・プラネット・ポジティブ」をサステナビリティ戦略とし、2030年に向けた共通の課題に対する目標とコミットメントをまとめている。イケアは、この戦略において「健康的でサステナブルな暮らし」「サーキュラー&クライメートポジティブ」「公平性と平等性」という3つの注力分野を設け、積極的に課題解決に取り組んでいる。

•「健康的でサステナブルな暮らし」について
⑴FY21に販売したLED電球は6930万個に及ぶ。イケアの従来の電球よりも手ごろな価格でエネルギー効率が平均35%も優れた、次世代LED電球SOLHETTA(ソールヘッタ)を発売した。

⑵家の中の空気をクリーンに保てる、手ごろな空気清浄機FÖRNUFTIG(フォルヌフティグ)などを発売した。

⑶基準値であるFY17と比較して食品廃棄物を46%減らすことに成功した。世界中の全イケア店舗のレストラン、ビストロ、フードマーケットで、2022年末までに食品廃棄物を50%削減するという目標の実現に向けて順調に進んでいる。

⑷牛肉と豚肉の販売量は、FY20の15%からFY21の3%に減少した。その一方で、植物由来のプラントボールとベジボールの売上げは、スウェーデンフードマーケットにおいて13%から24%に増加している。

•サーキュラー&クライメートポジティブについて
⑴FY21のイケアのクライメートフットプリントは、ベースラインのFY16と比較して絶対値で160万トン(CO2換算)、8%の削減となったが、イケアの売り上げは過去最高を更新した。これは主に、エネルギー効率の高いイケア製品、生産における再生可能エネルギーの増加、植物由来の食品の販売比率の増加によるもの。

クライメートフットプリントは温室効果ガス(GHG)排出量で換算され、原材料の生成や加工、製品の製造と輸送、イケアのリテール事業、顧客の来店、顧客の自宅での製品の使用、製品の寿命、コワーカーの出勤・出張まで、イケアのバリューチェーンのすべてが含まれる。

⑵イケアの事業活動において再生可能エネルギー使用率100%を達成するという目標の一環として、新たに10の市場で再生可能電力使用率100%を達成することができた。サプライヤーの再生可能電力使用率100%へ向けた転換を加速させるプログラムを開始し、イケアが直接取り引きする1600のサプライヤーをサポートする。

⑶2030年に向けて、生物多様性の保全活動、森林に依存する人々の生計支援、気候変動の緩和を目的とした、新たなフォレスト・ポジティブ・アジェンダ2030を策定した。FY21は、イケアの製品に使用された木材の5%が森林管理協議会(FSC)認証木材またはリサイクル木材だった。

⑷2030年までにすべての原材料をリサイクル素材または再生可能な素材にする取り組みを継続している。FY21にイケアの製品に使用する目的で仕入れた原材料の73%が、再生可能な素材(8%)またはリサイクル素材(17.3%)だった。

⑸イケア製品9500 点を評価して得た知見を基に、インタラクティブなサーキュラー製品デザインツールを新たに開発した。このツールにより、イケアの製品だけでなくあらゆる商品の循環性を測定することができる。

⑹家具買い取りサービスを通じて、再販やリサイクルのために引き取られたイケアの家具は15万5000点に上った。また、商品を長く使ってもらうため、FY21では1800万個を超えるスペアパーツを提供した。これらの取り組みは、イケア製品をより循環した方法でケアし、次の世代に受け継いでいくことを目的としている。

⑺Science Based Targets Network の「Corporate Engagement Program(企業エンゲージメントプログラム)」に参加し、自然に関する科学的根拠に基づく目標設定をサポートしたほか、世界自然保護基金(WWF) との20年近いパートナーシップを更新した。

•公平性と平等性について
⑴次世代のIWAY(イケアが責任をもって製品、サービス、原材料、部品を調達するためのサプライヤーに期待する行動規範)の導入を通じて、働きがいのある仕事の提供を促進した。

⑵2021年を児童労働撤廃国際年と定めた国連のイニシアチブを支持する行動誓約書を提出した。

⑶イケアはFY21も、新規および現行の施策を活用して、グローバルレベルと市場レベルの両方でジェンダー平等を推進した。イケアのフランチャイジーでは、12社のうち3社において女性のマネジャーの比率が50%を超え、FY19と比較して改善された。イケアは男女比のバランスがとれた企業をつくり、一人ひとりのコワーカー(従業員)に平等な機会を提供することを目指している。全員が安全かつ快適に働くことができる職場をつくるため、多様性を受け入れるインクルージョンアプローチを採用している。

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