高島屋news｜協業5社と廃食用油供給に関する基本合意書を締結

(株)高島屋(大阪市中央区、村田善郎社長)は、同社の連結子会社である東神開発(株)(東京都世田谷区、倉本真祐社長)、(株)アール・ティー・コーポレーション(東京都中央区、髙田明宏社長：以下「RTC｣)、日揮ホールディングス(株)(神奈川県横浜市、佐藤雅之CEO：以下「日揮 HD｣)、(株)レボインターナショナル(京都市下京区、越川哲也CEO)、(合同会社)SAFFAIRE SKY ENERGY(神奈川県横浜市、秋鹿正敬代表職務執行者) と、国産の持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel：以下「SAF｣)の原料となる使用済み食用油(｢廃食用油｣)の継続的な供給と、その利用に関する基本合意書を 9月30日付で締結した。

併せて、SAFを飛行機の燃料とするプロジェクト「Fry to Fly Project」にも参画する。6社は、相互に協力するとともに、廃食用油の収集や啓発活動を通じて、脱炭素社会の実現に貢献する。

｢SAF」は、原料となるバイオマスや廃食用油、都市ごみなどの生産・収集から、製造、燃焼までのサイクルで、従来の航空燃料に比べて温室効果ガスの排出量の大幅な削減が期待できるとともに、既存のインフラをそのまま活用できる持続可能な航空燃料。

｢Fry to Fly Project」は、家庭や店舗などで発生する廃食用油を原料とする SAF で航空機が飛ぶ世界の実現を目指すプロジェクト。日揮ホールディングスが提唱し、事務局を務めている。設立主旨に賛同した企業・自治体・団体が相互に連携し、家庭や店舗から排出される廃食用油の収集を促進するなど脱炭素化に向けて積極的に参加できる機会を創出している。

この事業では、高島屋グループの商業施設や RTC が運営する飲食店などから排出される廃食用油を、レボインターナショナルが収集し、SAFFAIRE SKY ENERGY の製造工場において、SAF が生産される。

この製造工場は、2024年内に完工し、2025年から運転を開始する予定となっており、100％廃食用油を原料とした年間約3000万リットルの SAF の供給を見込んでいる。

高島屋グループでは、10月から新宿店で供給を開始し、順次、高島屋と東神開発が運営する国内店舗とRTCが運営する国内レストランや社員食堂、学生食堂などに対象施設を拡大していく予定だ。高島屋グループ全体では、年間約28万リットルの廃食用油のポテンシャルがある。

日揮HD、レボインターナショナルは、国内初の SAF の大規模生産に向けてコスモ石油(株)と協働し、国産 SAF 製造サプライチェーンの構築に取り組んでおり、2022年には、国産 SAF を製造する SAFFAIRE SKY ENERGY を設立した。国内で発生する廃食用油のみを原料とした SAF の製造、流通を加速することで、今後、航空産業界全体の発展と持続可能な社会の実現を目指す。なお、この事業は NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から採択を受けた助成事業。