イオンnews|第1QはGMS損益改善で営業収益・営業利益ともに過去最高

イオン(株)(千葉市美浜区、岡田元也社長)が、2019年2月期の第1四半期決算を発表した。
3月1日から5月31日までの業績は、営業収益2兆1046億3300万円(前年同期比1.8%増)、営業利益396億3200万円(8.2%増)、経常利益402億4400万円(7.5%増)、四半期純利益65億5800万円(78.3%増)となり、営業収益・営業利益ともに過去最高を達成した。

営業収益対比の営業利益率は1.9%、経常利益率も1.9%。

セグメント別の業績。
第1に、主力のGMS(総合スーパー)事業は、営業収益7510億1000万円(前年同期比0.1%減)、営業損失45億5000万円で、前年同期より18億2800万円の損益改善となった。

12店舗で既存店の活性化を推進し、3店舗を新規出店した。

既存店舗の顧客1人当たりの買上げ点数は前年同期比で2.3ポイント上回った。また、直営売上総利益率が 0.4 ポイント改善したことに加え、経費の効率的運用を推進したことで、営業損益は前年同期差で12億2700万円改善した。

また(株)ダイエーから運営を承継したGMS店舗は、商品・販売施策の浸透により、既存店舗の客数が前年同期比で3.7%、売上高が2.8%伸長した。

第2に、SM・DS事業は、営業収益7987億8000万円(0.4%減)、営業利益は20億7100万円(6.6%増)だった。

(株)ダイエーは、お客の節約志向に対応した「えっ!安い値!」の販売強化や市場直送による野菜の鮮度改善に取り組んだ。また、店舗での作業削減や販売促進費の効率運用によって経費削減にも取り組んだ。

マックスバリュ九州(株)は、3店舗で生鮮食品を中心に地域・地場商品の拡大と小型インストアベーカリーの導入を行った。

また、計画外勤務の低減や総労働時間削減に向けた自動発注システム導入の拡大を図るって費削減に努めた。さらに、省エネ対策として老朽化した冷凍・冷蔵ケースの入れ替えを行った。

こうした取り組みの結果、売上高は1.3%増と伸長し、営業利益は前年同期差で3億円以上改善した。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)は、中期経営計画で掲げる商品改革・ICT改革・コスト構造改革・物流改革を引き続き推し進めて、増益となった。

(株)マルエツでは、今年度を新たな事業構造への「転換」の年とし、仕入れ構造の見直しや仕入れ販売計画の精度向上を図り、荒利益率の改善を進めた。また、省力化施策として、「セミセルフレジ」を194店舗へ導入した。

(株)カスミでは、3月からイオンの電子マネー「WAON」による決済サービスを開始して「WAON一体型カスミカード」を導入し、顧客の利便性向上に努めた。

第3に、ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益1938億9100万円(13.4%増)、営業利益55億6900万円(2.7%減)だった。

ウエルシアホールディングス(株)と連結子会社は、ドラッグ&調剤・深夜営業・カウンセリング・介護を4つの柱とする「ウエルシアモデル」を積極的に推進した。調剤併設店舗の増加による調剤売上げの伸長、24時間営業店舗の拡大(5月末現在145店舗)などにより、売上げは好調に推移した。

また、2017年9月に子会社化した(株)丸大サクラヰ薬局、3月に子会社化した(株)一本堂への「ウエルシアモデル」導入を急速に進めるなど、規模拡大とシナジーの追求を図った。これらの取り組みの結果、当第1四半期連結会計期間末の店舗数は前連結会計年度末から60店舗増の1753店舗(海外含む)となった。

第4に、総合金融事業は、営業収益1063億3400万円(8.7%増)、営業利益174億5200万円(同17.2%増)で、増収増益になった。

第5に、ディベロッパー事業は、営業収益886億1300万円(同6.9%増)、営業利益131億2400万円(4.2%増)で、こちらは相変わらず好調に推移し、増収増益。

第6に、サービス・専門店事業は、営業収益1971億2100万円(0.7%増)、営業利益66億円(18.9%減)だった。

最後に、第7の国際事業は、営業収益1150億1200万円(7.8%増)、営業利益1億9500万円(前年同期より15億2500万円の増益)となった。

【結城義晴の述懐】
ホールディングカンパニーのイオンは四半期で過去最高の営業利益と経常利益、純利益。総合スーパーとスーパーマーケットは微減収増益で回復基調、ドラッグストアと金融、モール事業、国際事業は増収増益で貢献。イオンの全体像がそのまま日本の小売業の景況にマッチする。そのイオンが過去最高益ということは日本全体も収益性が向上する可能性があると考えれば、これはこれでいいことだ。ただし、まだまだ営業利益、経常利益は2%以下で、「まだまだです」。

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