三菱食品news|’20年3月期2兆6547億円13.3%増収も経常利益9.3%減
三菱食品(株)(東京都文京区、森山透社長)が2020年3月期の本決算を発表した。
売上高は2兆6546億9800万円と前年同期比1.3%増。ドラッグストアなどの成長業態との取り引きが拡大したことや消費税増税に伴う駆け込み需要、新型コロナウイルス感染症の拡大による買い溜め需要の高まりから、増収となった。
ただし利益面では、小売業の競争激化に起因した取り引きの見直しや物流コストの増加に加え、夏場の天候不順等の影響から、営業利益は153億7800万円(前年同期比8.1%減)、経常利益166億7200万円(9.3%減)、当期純利益114億0800万円(4.6%減)の減益となった。
営業利益率、経常利益率ともに0.6%
同社は2019年度中に、物流コストの抑制に向けた拠点再編や物流与件の見直しに取り組んだ。また、卸事業に続く新たな事業の柱として構築を進めている川上寄り事業の拡大に注力した。
事業別で見ると、加工食品事業の売上高は8050億1200万円(0.4%増)、営業利益は27億6800万円(18.5%減)。ドラッグストア、ディスカウントストアとの取り引きが伸長したことや、麺・パスタ類、嗜好品などが好調であったことから増収だったが、営業利益は大きく落ち込んだ。
低温食品事業の売上高は1兆0370億2300万円(0.8%減)、営業利益は67億9200万円(19.6%減)。天候不順に伴う季節商材の落ち込みが減収要因だ。売上高減少による売上総利益の減少に加え、物流コストの増加により営業利益は前年同期を下回った。
酒類事業の売上高は4935億2300万円(6.1%増)、営業利益は31億6800万円(55.2%増)。コンビニエンスストア、卸売りとの取り引きが伸長したことや、増税に伴う駆け込み需要の影響から好調に推移した。利益面も、売上高増加による売上総利益の増加から前年同期を大きく上回った。
菓子事業の売上高は3167億円(3.7%増)、営業利益は36億3900万円(5.9%減)。ドラッグストアとの取り引きが伸長したことや、スナック菓子が好調であったことから増収だった。しかし利益面については、売上高増加により売上総利益が増加したものの、物流コスト等の増加をカバーするに至らず、前年同期を下回った。