イズミnews|第2Q営業収益3264億円11.8%減も経常利益17.5%増
(株)イズミ(広島県広島市、山西泰明社長)が2021年2月期第2四半期の決算を発表した。
営業収益は3263億5300万円(前年同期比11.8%減)、営業利益164億5700万円(16.2%増)、経常利益166億4100万円(17.5%増)、四半期純利益106億8000万円(19.1%増)の減収増益だ。既存店売上高は、前年同期比で14.6%減となった。
売上総利益は719億0100万円(前年同期比52億7700万円減)となり、売上高対比では23.2%と前年同期に比べて1.3ポイント上昇した。これは、粗利益率の低いテナント専門店の売上げが減少したことと、それにより相対的に粗利益率の高い直営部門の売上構成が高まったことによる。
販売費および一般管理費については、主に広告宣伝費や人件費が減少したことに加え、前期の新設・増床店舗および既存店のリニューアルにかかる「創業経費」が減少した。売上高対比では23.4%となり、前年同期に比べて0.6ポイント上昇した。
営業利益率は5.0%、経常利益率は5.1%。
主力の小売り事業の営業収益は3164億2700万円(11.9%減)、営業利益は141億2400万円(23.8%増)の減収増益。
新型コロナウイルス感染が拡大するなか、広域集客を図ってきた大型ショッピングセンター「ゆめタウン」では、外出自粛の動きが強まったことで来店客数が減少した。緊急事態宣言の発出後は店舗の一部休業により、広域からの集客がさらに減少し、大幅な売上減少となった。また、卒業式や入学式などのイベントが軒並み中止されるなか、フォーマルスーツなどのハレの日需要が消失するなど、特にアパレルの分野において不要不急の消費を避ける動きが強まった。
夏場に入ると、感染動向の一巡感、政府による特別定額給付金などの効果もあって盛り返しがあった。一方で、感染の再拡大により、県をまたぐ移動を忌避する動きなどから、帰省自粛による盆商材、旅行関連商品などの需要が減少した。
コスト面では、コロナ禍による需要縮小見通しを念頭に収益構造の見直しに努めた。とくに、衣料品を中心に仕入計画の見直しを行って、在庫圧縮に努めた。その結果、多額の在庫ロス発生が回避された。広告販促費では折込みチラシやポイント施策の対象を見直すことで最適化を図り、販促効率を低下させることなく、コスト総額を引き下げることに注力した。
小売周辺事業は、営業収益467億6100万円(1.3%減)、営業利益17億6500万円(21.5%減)。
金融事業の(株)ゆめカードにおいて、電子マネー「ゆめか」およびクレジットカードの新規会員を獲得するとともに、小売事業の主力店舗「ゆめタウン」などの入居テナントをはじめとした外部加盟店での取扱いを拡大することで、収益の拡大を図った。これにより、「ゆめか」の累計発行枚数は前期末における811万枚から8月末時点では822万枚となった。
通期は、営業収益7019億円、営業利益332億円、経常利益332億円、当期利益190億円を見込む。