イオンnews|第3Qまでの営業収益0.1%増/第3Qは営業利益も過去最高

イオン(株)(千葉市美浜区、吉田昭夫社長)が2021年2月期第3四半期の業績を発表した。

営業収益は6兆3925億3800万円(対前年同期比0.1%増)、営業利益が681億1100万円(33.9%減)、経常利益が589億9700万円(36.8%減)となり、四半期純損失は625億9000万円(前年同期よりさらに562億4700万円の減)となった。しかしながら、この第3四半期連結期間の営業収益は過去最高だった前年同期実績を上回り、営業利益も過去最高を更新した。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により第1四半期の業績に大きな影響があったが、以降徐々に回復し、第2四半期連結期間には増収に転じ、利益の減少幅も縮小した。3四半期連結期間は、スーパーマーケット事業とヘルス&ウエルネス事業が好調だったことに加え、大ヒット映画の集客効果も後押しとなり、ディベロッパー事業とサービス・専門店事業の業績も大きく改善した。

またイオンは6月に制定した新防疫対策の基準を示した「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」を11月に改定した。この改定では施設内換気と空気浄化の設備導入に関する対策を加えるとともに、従業員からの施設内感染を撲滅する仕組み、また発生後の二次感染の防止策に関する項目をなど追加した。

GMS事業は営業収益2兆2556億3400万円(0.9%減)、営業損失426億8900万円(前年同期より245億6200万円の減益)となった。

主力企業のイオンリテール(株)は、コロナ禍で生まれた新しい需要の取り込みを継続して推進した。商品面では、テレワークに適した高脚こたつや防寒小物、家庭の鍋料理をより楽しめる2色鍋、イエナカ需要に対応した「ホームコーディ」の秋冬シリーズの売上げが好調に推移した。加えて、スポーツ関連商品を提供する「スポージアム」を全国展開し、イエナカフィットネス商品やジョギング・ウォーキング関連商品の売場を拡大した。このカテゴリーの既存店売上高は前年比で3割強伸長した。

また、感染症拡大の影響による生活防衛意識の高まりに応えて、11月初旬から食品や日用消耗品などの生活必需品、最大約700品目を「生活応援特価!」として展開している。

需要急増のネットスーパーは配送枠を増やし、店舗の専用カウンターや駐車場で受け取れるピックアップサービスを11月末で196店舗に拡大した。非接触、非対面のニーズに対応した「レジゴー」は11月末時点で20店舗に導入し、今後さらに導入店舗を拡げていく。

イオン北海道(株)は3月にマックスバリュ北海道(株)と経営統合し、新生イオン北海道としてスタートした。食品商品開発部による産地開発や商品開発に取り組み、「真ほっけ焼きほぐし」「道南レッドコロッケ」など、これまでに地域ならではの商品約650品目を開発した。

インターネット販売においては、約1500品目の化粧品・コスメ用品を取り揃えたネットショップを9月に開設した。また、最大約170品目のおもちゃを取り揃えた期間限定のネットショップを開設するなどの販売強化に努め、この事業の売上げは前年同期に対して約1.5倍となった。

スーパーマーケット事業は営業収益2兆4749億1100万円(3.0%増)、営業利益361億2900万円(前年同期より315億9700万円の増益)。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)グループでは、デジタル化に取り組んだ。顧客が会計の際にレジに並ぶことなく、スマートフォンで決済できる「Scan&Go Ignica」を(株)カスミで拡大し、(株)マルエツとマックスバリュ関東(株)にも導入した。さらに、スマートフォンで注文した商品を店頭やエリア内の指定配送先で受け取ることができる「オンラインデリバリー」の展開を推進した。

商品面では、プライベートブランド(PB)商品「eatime」の開発を強化し、11月末における取り扱い商品数は、合計104品目に達した。

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益7160億2600万円(10.4%増)、営業利益317億4400万円(39.8%増)と大きく伸長した。

ウエルシアホールディングス(株)および同社連結子会社では、外出自粛やテレワークの影響でメイクアップ化粧品の需要が減少したが、感染症予防対策商品や食品の需要が増加して物販の売上げは好調に推移した。

調剤については、薬価改定の影響に加えて、コロナ禍で受診を控えたことにより処方箋枚数が減少した。しかし調剤併設店舗が増加(11月末時点で前期末対比153店舗純増の1595店)したことで堅調な売上げを維持することができた。11月末の同社グループの店舗数は2202店。

総合金融事業は、営業収益3612億6200万円(2.4%増)、営業利益261億2700万円(34.1%減)。

(株)イオン銀行では、非対面・非接触、店舗滞在時間の最小化の取り組みとして、テレビ相談や手続き窓口を増設し、オンライン予約システム、オンラインでの金融相談サービスの拡充を図った。また、住宅ローンについては、Webからの申し込みや電話や郵送を活用して顧客が自宅で契約まで完結できる取り組みを推進した。
その結果、銀行口座数、預金残高、住宅ローンの貸出金残高は増加した。

ディベロッパー事業は、営業収益2367億5400万円(14.2%減)、営業利益239億9800万円(45.2%減)。

イオンモール(株)の国内事業は、4月に緊急事態宣言下で全国164施設全てを臨時休業したが、5月末には全施設の営業を再開した。11月に行った「イオンモール ブラックフライデー」では、例年実施するセール企画に加え、ライブコマースやイオンモールアプリで参加できる抽選会など、リアル・オンラインの両チャネルを活用した企画を実施した。イオンモール高崎(群馬県)、イオンモール高知(高知県)の増床リニューアルを含め、8モールでリニューアルを実施した。

中国では2月中旬に全21モール中、最大11モールを臨時休業したが、段階的に営業を再開し、4月には全てのモールの専門店営業を再開した。3月から動画配信とネット通販を融合した新たな販売手法であるライブコマースのプラットフォームを立ち上げた。

ベトナムでは政府の規制により3月下旬から4モールの専門店営業を臨時休業していたが、4月下旬には全てのモールでの営業を再開した。7月から感染が再拡大し一時的に影響を受けたが、9月~11月の既存4モールの専門店売上高は前年同月を上回る水準となった。

サービス・専門店事業は、営業収益4747億2700万円(15.2%減)、営業損失147億3300万円(前年同期より172億5300万円の減益)。

イオンディライト(株)は、日本、中国、アセアンを跨いだ新型コロナウイルスの対策本部を2月初旬に立ち上げ、イオングループ各店舗に向けては、業務用マスク、手袋、アルコール、アクリルパーテーションといった衛生資材を継続的に提供してきた。加えて、防疫対策を組み入れたファシリティマネジメントの新たな基準づくりの一環として、接触感染防止や施設内の換気を強化するためのさまざまな施策の検証を行った。それとともに、科学的根拠に基づいた衛生的な環境を実現する新たな清掃手法「ニュースタンダードクリーニング(NSC)」を確立し、9月からサービスの提供を開始した。

国際事業は、営業収益3162億9700万円(3.4%減)、営業利益32億2100万円(44.7%減)。

イオンマレーシアは、春節商戦を早期に取り組んだことが功を奏し、1月の売上げは前年を大きく上回った。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って衣料品や住居余暇関連商品の販売が制限されたため、オンラインで注文した商品を店舗駐車場で受け取るドライブスルー型の受け渡しサービス、買物を代行するサービス、シニア向けに注文商品を配達するバイク便サービスなど、新たな取り組みを推進した。

イオンベトナムでは、社会行事への対応を継続的に強化しており、年間最大商戦の一つであるテト(ベトナム旧正月)商戦では重点商品の売込みに取り組んだ。その結果、衣料ではアオザイ、食品ではギフト及び生鮮食品を中心とした旧正月関連商材の売上げが好調に推移した。

中国では、1年で最も売上げ規模の大きい春節のピークに合わせた販促を実施したことなどにより、春節期間の売上高は前年比5.0%増となった。春節後は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で衣料、住居余暇商品の売上げが減少したが、家庭での食事機会が増えたことやグロサリー商品のまとめ買いなどにより、食品の売上げが大きく伸長した。

通期は、営業収益8兆5000億円(前期比1.2%減)、営業利益1200億円~1500億円(44.3%減~30.4%減)、経常利益1000億円~1200億円(51.4%減~41.7%減)を見込むが、当期純利益は未定としている。

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