ABCマートnews|第3Qは2桁台の大幅減収減益/四半期開示以来初の減収

(株)エービーシー・マート(東京都渋谷区、野口実社長)が2021年2月期3四半期の決算を発表した。

3月~11月の連結累計期間の売上高は1604億3000万円(前年同期比21.0%減)と第3四半期も四半期開示以来初めての減収となった。利益面については、コロナ禍で滞留となった商品を当期中に消化するため、在庫の評価減を前年同期末の3倍強の17億2300万円計上した。営業利益は148億6700万円(55.6%減)、経常利益は158億6200万円(53.8%減)、純利益は102億8200万円(55.3%減)。大幅な減収減益となった。

コロナ禍で臨時休業した店舗従業員の給与補償として特別利益に雇用調整助成金等を7億400万円計上した。また、特別損失に休業期間中の従業員の給与手当及び店舗家賃と減価償却費13億0800万円を計上した。

営業利益率は9.3%、経常利益率は9.9%。

シューズ業界では、外出自粛の長期化による需要の先送りが懸念されるなか、オンライン販売は伸長している。商品動向としてはコロナ禍でもスニーカー需要は高いが、在宅勤務やリモートワークの広がり、冠婚葬祭の縮小などによってフォーマル・ビジネス需要が低下傾向にある。

国内では、この四半期の売上高は全店で前年同期比8.2%減、既存店で9.5%減となった。連結累計期間の売上高は全店で23.4%減、既存店14.0%減。その結果、国内における売上高は1114億4900万円(23.4%減)、セグメント利益は138億8900万円(52.5%減)となった。

販売戦略については、国内需要を喚起させる取り組みとして、ABCマート公式アプリのリニューアルセール、レディース・キッズ全品割り引きセール、ブラックフライデーセールなどを企画した。商品展開においては、著名アーティストとのコラボレーションやナショナルブランドの限定商品の販売に注力し、単品訴求を行った。販売促進活動においては、ブランド戦略にはデジタル広告を積極的に採用し、オンラインと店舗の双方の顧客に向けたアプローチを強化した。ブラックフライデーセールでは、テレビCMとデジタル広告を併用したことで、セール期間中のオンライン販売が前年の約2倍となった。

IT戦略については、引き続き直営店におけるキャッシュレス決済の対応を進めた。3月以降、電子マネー(交通系ほか)とスマートフォン向けQRコード決済(PayPay・楽天ペイ)の導入を進め、11月末、6割強の店舗で取り扱っている。

店舗展開では、商業施設やショッピングセンターを中心に17店舗出店した。9月に大型旗艦店「ABC-MART GRAND STAGE ららぽーと愛知東郷店」をオープンした。累計期間では50店舗を出店し、20店舗を閉店した。この結果、11月末における国内店舗数は1046店となった。

海外の連結子会社はいずれも12月決算。売上高は496億4000万円(14.8%減)、セグメント利益は9億3500万円(77.8%減)となった。

海外の連結子会社はいずれも12月決算。売上高は496億4000万円(14.8%減)、セグメント利益は9億3500万円(77.8%減)となった。為替は台湾を除けば、前年同期末時点と比べてやや円高水準にあったが、いずれの国においても新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。韓国では都市部の回避、外出の減少が続いており、売上高は306億8000万円(21.0%減)だった。台湾では感染拡大を抑制できていることから56億2800万円(3.9%増)となった。米国ではオンライン販売が増えており、133億2900万円(4.8%減)だった。

店舗展開では、韓国に38店舗、台湾に7店舗の新規出店を行った。9月30日時点で、韓国287店舗、台湾55店舗、米国6店舗で、合計348店となった。

国内外合わせて62店舗の新規出店を実施し、その結果、グループの店舗数は1394店舗となった。

2021年2月期の通期は、売上高2206億円(19.0%減)、営業利益178億円(59.0%減)、経常利益187億円(57.8%減)、当期純利益122億円(58.9%減)を見込む。

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