高島屋news|年商6809億円25.9%減・経常損失136億円の赤字決算

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)が2021年2月期の本決算を発表した。

営業収益は6808億9900万円(前年比25.9%減)、営業損失134億9600万円(前年同期は営業利益255億8200万円)、経常損失136億3700万円(前年同期は経常利益232億円)、純損失339億7000万円(前年同期は当期純利益160億2800万円)の赤字決算となった。

中核の百貨店事業は、営業収益5704億7800万円(27.3%減)、営業利益213億2300万円(前期は営業利益69億3800万円)。

国内百貨店では緊急事態宣言の発出を受けて、’20年4月から5月にかけて食料品フロアを除く全店で臨時休業を実施した。全館営業の再開後も、多くの顧客の来店を見込んだ営業施策・販売促進策の中止や開催方法の見直しを行ったことに加え、今年の1月に緊急事態宣言が再発出されたこともあり、売上高は大きく減少した。さらに、新型コロナ感染拡大における渡航制限により、訪日外国人数が大幅に減少したため、インバウンド売上高は前年比91.3%減となった。

一方で、’20年9月には「事前来店予約サービス」の対象店舗を7店舗に拡大するなど、デジタル技術を活用した接客を強化した。オンラインストアでは「巣ごもり消費」による食料品やリビング関連の商材、中元・歳暮などのギフトが需要を伸ばし、売上高は前年を大きく超えた。横浜店では、地下食料品売場の改装を順次実施し、’21年3月には国内最大級の「デパ地下」としてグランドオープンさせた。

なお、’20年3月に子会社の(株)米子髙島屋の全株式を売却し、同社は商標ライセンス契約会社となった。8月には港南台店の営業を終了、10月にはA&S髙島屋デューティーフリー(株)が運営する市中免税店の営業を終了した。

海外では、同社が事業展開するASEAN諸国や中国でも新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた。上海高島屋では’20年1月~3月の期間、営業時間を短縮して営業した。ホーチミン高島屋では3月~4月、サイアム高島屋では3月~5月、シンガポール高島屋では4月~6月の期間、一部食料品売場を除き、臨時休業した。

その後、各店ともに全館での営業を再開し、売上高も回復しつつあるものの、主力のシンガポール高島屋では、ツーリストや催事による売上高が引き続き大幅に減少した。オンライン販売を強化するなど対策を講じたが、売上高減少は抑えられなかった。なお、サイアム高島屋では12月に高架鉄道が開業して駅と店舗が直結されたが、同時期に発生した現地での新型コロナウイルス感染症の第2波が集客に影響し、開業効果は限定的となった。

商業開発業の営業収益は369億8100万円(18.8%減)、営業利益は58億6700万円(40.9%減)。

高島屋東別館リノベーション第2弾として、‘20年7月に「コミュニティーフードホール大阪・日本橋」を開業した。また、同じく7月にアクティブシニア向け住宅に対するニーズの高まりを受けて、千葉県柏市でサービス付き高齢者向け住宅の運営に参画した。

金融業の営業収益は162億5000万円(6.9%減)、営業利益は42億8800万円(12.1%減)。

‘20年3月に髙島屋クレジット(株)と髙島屋保険(株)が合併し、「髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ(株)」が誕生。また同社グループの新たなファイナンシャルサービスの開始に向けて、(株)SBI証券との提携による金融商品仲介業の登録、ほがらか信託(株)との提携による信託契約代理店の登録を行った。‘20年6月には日本橋高島屋SC本館8階に「タカシマヤファイナンシャルカウンター」をオープンし、顧客の資産形成や承継等の相談を受けるとともに、金融商品を取り扱うファイナンシャルカウンター事業を開始した。

2022年2月期は、営業収益8120億円(19.3%増)、営業利益130億円、経常利益120億円、当期利益100億円を見込む。

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