三越伊勢丹news|’20年度純損失411億円/売上高は8161億円で27.1%減

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)が、2021年3月期の決算を発表した。

2020年4月1日~2021年3月31日の売上高は8160億9100万円で、前連結会計年度比27.1%減の大幅減収となった。営業損失209億7600万円(前年度は営業利益156億7900万円)、経常損失171億7100万円(前年度は経常利益197億7100万円)で、当期純損失は410億7800万円(前年度は純損失111億8700万円)の赤字となった。

同社グループは2018年11月に発表した「三越伊勢丹グループ3カ年計画」で掲げた「オンラインとオフラインのマッチングプラットフォーマー」の実現に向けて取り組んできたが、社会環境・消費動向の変化とその後の状況を踏まえ、戦略の一部修正とスピードの向上を図るため、昨2020年11月にいったん取り下げ、新たな中期計画の策定を進めることとした。

2020年度は、三越恵比寿店、イセタンハウス、バンコク伊勢丹など収益力に課題のあった店舗の営業終了、(株)三越伊勢丹研究所の事業終了、(株)三越伊勢丹不動産の株式譲渡など、経営資源の再配分、事業ポートフォリオの組み替えを進めた。今後も、新しいコミュニケーションの在り方、デジタルシフトの加速、それらを踏まえたビジネスモデル転換に向けた事業基盤の整備、収支構造の可視化による抜本的コスト構造改革を進めていく。

主力となる百貨店業は、売上高7521億3100万円(27.4%減)、営業損失303億0200万円(前年度は営業利益22億0300万円)だった。緊急事態宣言発出に伴う休業や時短営業を実施した影響で大幅な減収となった。海外でも2020年2月以降、中国・東南アジア・米国などを中心に、政府の規制強化のなかで順次休業を余儀なくされ、前年実績を大きく下回った。

そうしたなか、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店を中心にラグジュアリーブランドや時計・宝飾など付加価値の高い商品の売上げは好調に推移している。9月には三越日本橋本店新館7階に「ビックカメラ日本橋三越」が増床オープンした。

好評を得ているコンシェルジュ接客に加え、新たにフィットネス機器の提案やリフォームカウンターを新設し、サービスを拡充している。地域店舗では伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店からの商品お取り寄せによる外商顧客向けサービスが大きく伸長するなど、リモート接客による接客体験向上に向けた取り組みもスタートした。

オンライン推進の取り組みでは、6月にECサイトを刷新し、同時にリリースした「三越伊勢丹アプリ」によって、店舗へ来店することなくシームレスに百貨店のサービスを利用できる体制が整った。三越伊勢丹ECサイトでは食料品・住関連など巣ごもり需要による稼働が高まったことを受けて、年末年始には、クリスマスケーキやおせち、福袋のオンライン予約・販売が伸長した。また、食品宅配の「ISETANDOOR」、化粧品EC「meeco」も大きく伸長し、2020年度オンライン売上高合計で300億円を上回る結果となった。11月にはリアル店舗と同様のショッピング体験をオンライン上で提供するアプリ「三越伊勢丹リモートショッピング」を立ち上げ、トライアルを開始した。家にいながら百貨店ならではの接客を1to1で楽しめるコンテンツとして好評を得ている。

クレジット・金融・友の会業は、売上高325億4200万円(15.7%減)、営業利益44億5000万円(21.5%減)だった。

(株)エムアイカードが、百貨店カードおよび外部企業との提携カードの新規会員獲得やカードの利用促進による取扱高の拡大に取り組んだ。しかし、コロナ禍による臨時休業や営業時間短縮によって、グループ百貨店内での取扱高が大きく減少した。グループ外においても、通販や食品、家電分野は好調だったものの、飲食や旅行分野の取り扱いが低迷した。グループ百貨店内でのカード獲得が苦戦したため、WEBチャネルでの獲得強化、ApplePay導入による会員利便性の向上と外部利用促進、新しい顧客層の開拓のためのグループ外企業との提携カードの発行などに取り組んだ。

不動産業は、売上高283億6700万円(19.9%減)、営業利益54億4000万円(8.9%減)だった。

緊急事態宣言の発出を受けて、商業施設の休業や営業時間の短縮を余儀なくされたため、大幅な減収となった。レジデンス事業の(株)三越伊勢丹不動産を2021年1月に株式譲渡した。このため通年では減収減益となった。(株)三越伊勢丹プロパティ・デザインの建装事業は、三越伊勢丹の店舗やラグジュアリーホテルの内装デザイン設計・工事・個人住宅のリフォーム・リノベーション工事などの受注は堅調であったものの、コロナ禍で工事の延期などが発生した影響を受けて、減収減益となった。

その他の事業は売上高636億5600万円(22.8%減)、営業損失6億1900万円(前年度は営業利益16憶1800万円)となった。その他の事業は小売・専門店業、製造・輸出入等・卸売業、物流業、人材サービス業、情報処理サービス業、旅行業、美容業などで構成される。

コロナの影響で、全体的には減収減益となった。そうしたなか(株)三越伊勢丹ビジネス・サポートは、既存クライアントの受託領域拡大と新規クライアントの獲得を進め、増益になった。(株)三越伊勢丹ギフト・ソリューションズは、後方部門の効率化やビジネスフローの見直しなどの構造改革に取り組み、減収ながら増益を確保した。

一方で、海外旅行が主力商品である(株)三越伊勢丹ニッコウトラベルや美容事業の(株)ソシエ・ワールドは大幅な減収となった。三越伊勢丹ニッコウトラベルは、海外旅行がコロナ禍で通期運航がゼロとなり、国内旅行の回復も9月以降と遅れたため、大幅な減収となった。なお(株)ソシエ・ワールドは、事業構造改革、ビジネスモデル改革を進めるなかで、エステ事業を取り巻く環境の変化と事業の方向性を勘案した結果、株式を譲渡することとした。

2022年3月期は、売上高4470億円、営業利益30億円、経常利益30億円、当期純利益10億円を見込む。2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)を適用するため、業績予想は適用後の金額となっている。なお、総額売上高(これまでの計上方法による売上高)は、9650億円(18.3%増)を予想している。

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