バローnews|年商7302億円7.7%増・経常利益68%増/主要3事業が大幅増収
(株)バローホールディングス(岐阜県多治見市、田代正美会長兼社長)の2021年3月期は、営業収益が7301億6800万円(前年同期比7.7%増)、営業利益256億4800万円(65.3%増)、経常利益283億9700万円(68.2%増)、当期純利益125億9200万円(94.4%増)。
マスク・除菌関連商品や巣ごもり需要に対応して既存店売上高が伸長したスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターの主要3事業が増収に寄与した。またスーパーマーケット事業とホームセンター事業で売上総利益率の改善と経費率の低減が進んだことから、グループ全体では大幅な増収増益となった。
営業利益率3.5%、経常利益率3.9%。
コロナ禍の2020年度は、バローホールディングスにとって中期3カ年経営計画の最終年度だった。「店舗数から商品力へのパラダイムシフト」 を基本方針として、スーパーマーケット事業を中心に、来店動機となる商品・カテゴリーを有する「デスティネーション・ストア」への転換を進めた。
またキャッシュレス決済への対応を加速するなか、自社電子マネー「Lu Vit(ルビット)カード」の会員数は338万人へ、アプリ会員数は前期登録実績の4倍を超える32万人へと大きく増加し、顧客参加型マーケティングや予約販売など、アプリの活用も広がった。
EC(電子商取引)は、事業所向け配送事業ainoma(アイノマ)によるドライブスルーでの商品受け取りや地元企業とのパートナーシップを通じた配送地域の拡大に加え、2021年夏にはアマゾンジャパンとの協業によるネットスーパーが開始される予定だ。
スーパーマーケット事業の営業収益は3962億4800万円(6.3%増)、営業利益161億0300万円(77.9% 増)。
(株)バローでは22店舗で生鮮部門を際立たせた売場に改装し、同時に販売促進策をEDLP(エブリデー・ロー・プライス)に切り替えている。EDLP採用店舗は44店舗にまで拡がった。また専門的な商品知識・販売技術を持つ人材を育成・処遇する「マイスター制度」の運用、青果の箱売りや鮮魚の対面販売、惣菜・ベーカリーへのオープン・キッチン導入や各種施策の効果によって販売力が高まるなど、強い商品力を活かす基盤づくりも進んでいる。さらに2020年10月に、プライベートブランドを2つのブランド「valor select(バローセレクト)」、「valor plus(バロープラス)」にリニューアルしている。
2020年4月に子会社化した(有)大和ストアーの1店舗を含む4店舗を新設、5店舗を閉鎖した。店舗数はグループ合計297店舗。
ドラッグストア事業の営業収益は1505億7500万円(8.0%増)、営業利益は39億7800円(7.9%減)。コロナ禍のなか化粧品・医薬品の販売が伸び悩み、売上総利益率が低下したことで、事業全体としては増収減益だった。
前期から進めるEDLP政策のもと、消耗品を中心に価格競争力を高める施策を打った。また健康の悩みに関する商品情報やクーポンの配信など、アプリを活用したデジタルマーケティングも進めた。2020年10月に(有)アオイ薬局を子会社化し、同社の2店舗を含む40店舗を新設、7店舗を閉鎖した。店舗数はグループ合計449店舗(うち調剤取扱123店舗)。
ホームセンター事業の営業収益は1301億7700万円(13.9%増)、営業利益は73億2700万円(111.5% 増)。
巣ごもり需要に対応した園芸、DIY、住居用品、ライフスタイルの変化により需要が拡大したアウトドア、自転車用品の販売が好調に推移した。ECモールや新たに立ち上げた自社サイト「PROsite.shop」のオンライン販売が大きく伸張した。また商品原価の改善やプライベートブランドの導入が進み、売上総利益率が改善した (株)ダイユーエイトで4店舗を新設、2店舗を閉鎖、(株)ホームセンターバローで1店舗を新設、(株)タイムで1店舗を新設した。グループ合計では152店舗。