H2Onews|第1Q売上高1612億円10.5%増も営業損失20億円

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)が2022年3月期第1四半期の決算を発表した。

当期首から新収益認識基準を適用し、消化仕入契約に基づく売上高等の計上方法を変更した結果、2021年4月1日~6月30日までの売上高は1142億8500万円だった。一方、これら会計処理方針の変更による影響を除外した前期までの売上高に相当する「総額売上高」では1611億7900万円となり、前期同様に緊急事態宣言を受けた店舗の休業や縮小営業が発生したものの、実質ベースでは前年同期比110.5%と増収となった。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響による総額売上高の減少の影響を受けたが、営業損失は20億4400万円(前年同期は営業損失32億9300万円)、経常損失は9億4900万円(前年同期は経常損失29億9600万円)と前年同期に比べて赤字幅は縮小した。

固定資産売却益88億8100万円や投資有価証券売却益64億8500万円など特別利益を155億4100万円計上する一方で、新型コロナウイルス感染症拡大による損失37億5300万円など特別損失を合計42億1800万円計上したことで、四半期純利益は62億7700万円(前年同期は四半期純損失61億1100万円)となった。

百貨店事業の総額売上高は666億9700万円(前年同期比37.8%増)、営業損失は18億4600万円(前年同期は営業損失29億4500万円)。なお、 (株)阪急阪神百貨店において、休業期間中の人件費や家賃、償却費など35億0100万円を特別損失として計上した。

4月下旬に緊急事態宣言が発出され、一部店舗の完全休業、阪急・阪神の両本店を含む店舗での生活必需品売場のみの縮小営業を実施した。6月1日から両本店は、平日の全館営業を再開し、緊急事態宣言が解除された6月下旬以降は土日を含めての全館営業となった。

食品事業の総額売上高は733億4600万円(0.3%増)、営業利益は13億3500万円(9.9%減)だ。

イズミヤ(株)、(株)阪急オアシス、カナート(株)の食品スーパーマーケット3社では、緊急事態宣言発出に伴い、特に郊外型店舗の内食需要が高まって客数が増加したことから売上高は伸長した。しかし、前年に営業活動を大幅に抑制したことの反動から販管費が増加し、減益となった。惣菜やベーカリーを製造する製造子会社は、スーパーマーケット各社で惣菜やベーカリーの需要が高まったことから増収増益となった。

商業施設事業は、総額売上高130億2500万円(23.7%減)、営業利益2300万円(前期は営業損失1億0700万円)。イズミヤ店舗における衣料品・住居関連品販売、テナント管理を行う(株)エイチ・ツー・オー商業開発では直営売場の縮小により大幅な減収となったものの、コスト削減を進めたことから増益となった。

(株)阪急商業開発では緊急事態宣言発出に伴って、運営する商業施設の休業や営業時間短縮を実施したものの、モザイクモール港北の改装効果などが寄与し、増収増益となった。

通期は、売上高5000億円、営業損失10億円、経常損失20億円、当期純利益50億円を見込む。

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧