高島屋news|第2Qコロナ禍で経常損失5.6億円/前年同期比で赤字幅減少

(株)高島屋(大阪市中央区、村田善郎社長)が2022年2月期第2四半期の決算を発表した。

3月1日~8月31日の業績は、営業収益3471億8900万円(前年同期比16.8%増)、営業損失20億1400万円(前年同期は営業損失102億1700万円)、経常損失5億5900万円(前年同期は経常損失109億1400万円)となり、その結果、四半期純損失は43億7500万円(前年同期は四半期純損失232億8400万円)の赤字となったが、赤字幅は改善されている。

グループ全体の持続的成長へとつなげていくためには、中核事業である百貨店の再生はまさに喫緊の課題である。今年4月には百貨店再生を中心テーマとする「3カ年計画」(2021~2023年度)を策定し、コスト構造改革や、営業力強化に向けた魅力ある品揃え、顧客との関係再構築に向けた取り組みをスタートさせた。

「3カ年計画」の初年度である今年度においては、早期黒字化への転換を実現すべく、営業費の削減に取り組んでいる。一方、成長分野であるネットビジネスは、2023年度にネット売上高500億円を目指すなか、8月にECサイト「高島屋オンラインストア」をリニューアルした。システムを刷新し、カスタマイズ機能や検索機能などを充実させ、顧客体験価値を高めるとともに、百貨店ならではの魅力ある商材や独自商材の提案を進めている。

主力の百貨店業は、営業収益2930億5500万円(21.1%増)、営業損失69億6200万円(前年同期は営業損失138億8800万円)。
国内百貨店では、前年の新型コロナ感染症拡大による売上げ減少に対する反動から、入店客数・売上げともに前年から大きく伸長した。しかし7月以降の感染再拡大に伴って、8月は大きく売上げを落とすこととなり、依然としてコロナ禍以前の水準には及ばない状況だ。

海外(2021年1月~6月)は、4月以降ASEAN地域で新型コロナ感染症が再拡大し、上海高島屋以外の各社は厳しい営業体制となった。シンガポール高島屋は期を通じて入店客数調整などの営業制限を継続しており、ホーチミン高島屋は5月31日から食料品を除き全館休業、サイアム高島屋は4月15日から営業時間を短縮している。しかし、コロナの影響で前年は休業したから、その反動で各社ともに増収となった。

商業開発業は、営業収益203億円(16.1%増)、営業利益35億2000万円(8.7%増)だった。
国内の商業施設は緊急事態宣言の発出地域の拡大と延長を受け、営業時間の短縮・臨時休業を実施したが、休業などの実施規模は前年より小さく、東神開発(株)は増収増益となった。

海外(2021年1月~6月)では、トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTDが新型コロナ感染症の影響を受けて、賃料減額や退店空室が発生したものの、前年の休業の反動によって増収増益となった。

金融業は、営業収益81億7700万円(0.9%増)、営業利益21億6900万円(3.0%増)だった。
今年も緊急事態宣言発出に伴う来店客数の減少により、各商業施設でのクレジットカード取扱高や新規入会会員数はマイナス影響を受けたが、高島屋ファイナンシャル・パートナーズ(株)は前年の反動により増収増益となっている。

クレジットカード事業では、コロナ禍における消費スタイルの変化を踏まえ、高島屋オンラインストアリニューアルを契機としてWEBでのカード会員の入会・利用促進を行うとともに、中元期における百貨店店頭獲得の拡大を図った。

通期は、営業収益7640億円(12.2%増)、営業利益60億円、経常利益60億円、当期利益23億円を見込む。

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