オイシックスnews|年商1135億円13.4%増も営業利益44.1%減

オイシックス・ラ・大地(株)(東京都品川区、髙島宏平社長)が2022年3月期の本決算を発表した。

2021年4月1日~2022年3月31日の連結業績は、売上高1134億7600万円(前年同期比13.4%増)、営業利益41億7100万円(44.1%減)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)62億1600万円(30.2%減)、四半期純利益27億2700万円(45.8%減)と増収減益となった。

営業利益率3.7%。

前年度に続いて新型コロナウイルス感染症による経済的な影響が大きかったものの、下半期以降はワクチン接種率の向上などによって、外食やレジャーなど外出行動が段階的に回復し、個人消費の動向やニーズも徐々に変化している。一方で、リモートワークなどライフスタイルの不可逆的な変化傾向は継続しており、EC市場の拡大スピードの加速、食品宅配に対する消費者の需要は引き続き堅調に推移している。

同社グループは、食を支えるインフラ企業として安定的な出荷キャパシティや商品サプライの確保に取り組むとともに、「健康・免疫意識の高まり」「家庭での食事頻度・人数の増加」など新しいニーズに対して、価値提案ができるよう迅速なサービスを提供している。

「Oisix事業」は売上高585億4600万円(17.4%増)、セグメント利益は70億3600万円(21.7%減)。
インターネットを通じて主に食品・食材の直販を行うOisix事業は、共働きの子育て世代を主要ターゲットとし、プレミアムな時短を実現する商品やサービスを提供している。売上高・セグメント利益ともに、当初計画の想定時に比べ会員数・ARPU(Average Revenue Per User:1ユーザー当たりの平均収益)は第3四半期までは順調に進捗していたものの、第4四半期に発生したORD海老名ステーション(物流センター)への移転トラブルによって、売上高の逸失影響と費用の増加が発生し、セグメント利益に対して約13億円の影響が出た。また、会員数についても、一時的に新規会員獲得を停止した影響もあり、前年度末(2021年3月末)の30万8889人から、2022年3月末には34万6083人と約3万7000人増加した。

「大地を守る会」は売上高132億4000万円(5.3%減)、セグメント利益は22億7000万円(5.5%減)。
カタログやインターネットを通じて主に食品・食材の直販を行う宅配事業(大地を守る会)は、シニアの二人暮らし世帯を主要ターゲットとし、”ちゃんとした食生活”というコンセプトのもと、ターゲットニーズに沿った新サービスの開発、磨き上げに注力している。今年度はシニア層が手軽に健康実感できる食材・レシピのセットを届けるコース「まるごはん」を活用した新規会員獲得を行った。売上高・セグメント利益については、手軽に健康実感をできる商品・サービスの開発強化などの施策によって当初計画の想定時に比べARPUが順調に進捗しているものの、前年度のコロナ特需の反動から減少傾向となった。会員数は、前年度末(2021年3月末)の4万5307人から、2022年3月末には4万5534人へ微増している。

「らでぃっしゅぼーや」は売上高174億3200万円(1.5%減)、セグメント利益は24億2900万円(19.7%減)。
カタログやインターネットを通じて主に食品・食材の直販を行う宅配事業(らでぃっしゅぼーや)は、料理を通じて社会貢献をしたい世帯を主要ターゲットとし、「ふぞろい Radish」などの商品・サービス開発を進めている。売上高・セグメント利益については、「大地を守る会」同様、前年度のコロナ特需の反動から減少傾向となった。会員数は前連結会計年度末(2021年3月末)の6万2751人から、2022年3月末には6万5093人へと増加している。

「Purple Carrot」は売上高102億0800万円(17.3%増)、セグメント利益は3億8700万円(53.4%増)。
米国で、ヴィーガンに特化したミールキットの宅配事業を展開するPurple Carrotは、米国の行動制限の解除、および経済活動の再開により、消費者の購買動向が実小売店舗に戻ってきているため、会員数も第2四半期末と比べて減少しているが、当初計画の想定時と比べ会員数の減少幅は限定的である。

その他事業はソリューション事業、店舗事業、海外事業(Purple Carrotを除く)、卸事業等から成る。売上高は145億7800万円(42.6%増)、セグメント利益は14億1600万円(3.9%減)。
同社EC支援(ISETANDOOR、dミールキット)などのソリューション事業が順調に推移したことや、前年度に新型コロナウイルス感染症のマイナス影響を受けた店舗・保育園などの卸事業の業績が回復し、伸長したことにより、全体では売上高・セグメント利益ともに大幅に増加した。

次期は、売上高1200億円(5.7%増)、営業利益45億円(7.9%増)、EBITDA65億円(4.6%増)、当期純利益25億円(8.3%減)を見込む。

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