三越伊勢丹news|第1Q売上高1016億円14.7%増・経常利益45億円の黒字に
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)が、2023年3月期第1四半期の決算を発表した。
売上高は1016億1500万円(前年同四半期比14.7%増)、営業利益は39億6500万円(前年同四半期は営業損失60億2700万円)、経常利益は45億2700万円(前年同四半期は経常損失57億4200万円)、四半期純利益は56億5200万円(前年同四半期は純損失86億7300万円)となった。
営業利益率は3.9%、経常利益率は4.5%。
三越伊勢丹ホールディングスは、中期経営計画(2022年度〜2024年度)の初年度となる本年度を、「再生」の確度を高め、「結実」を見越した「展開」を仕込み始める1年として位置づけ、従来の百貨店事業モデルからの変革と早期の業績回復に向けた取り組みを着実に進めた。
3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、全国各地での人流回復に加え、昨年の臨時休業等の反動もあり、売上高、入店客数ともに前年から大きく伸長した。外出機会の増加により消費行動が活発化したことで、ラグジュアリーブランド品、宝飾品、衣料品を中心に売上げが好調に推移し、客単価についてはコロナ前の水準を上回った。伊勢丹新宿店、三越日本橋本店では、外商顧客やエムアイカード上位利用顧客による売上げが牽引し、ラグジュアリーブランド品、宝飾品、時計などの高額品アイテムの売上げが好調に推移した。また、伊勢丹新宿本店では、4月の売上高が、三越伊勢丹の統合後最高となるなど、回復基調が鮮明になった。
オンラインの取り組みでは、化粧品ECサイトの「meeco(ミーコ)」が、外出機会の増加に伴い、サンケア、ベースメイク、フレグランスなどのアイテムの売上げが好調で、前年から大きく伸長した。また、30代~40代の中心顧客のほか、20代の顧客数、売上げシェアが伸長している。三越伊勢丹リモートショッピングアプリでは、地域百貨店とのリモート接客を通じて、宝飾・時計などを中心とした高額品の需要を取り込み、好調に推移した。
海外百貨店においては、ゼロコロナ政策を続ける中国店舗については厳しい結果になったが、マレーシア・シンガポールのアセアン店舗は、コロナ規制の緩和によって売上げ、営業利益ともに前年および計画を上回った。また、米国店舗では、売上げ、営業利益ともに前年および計画を上回るとともに、コロナ前の客数・客単価を越えるなど、好調に推移した。
クレジット・金融・友の会業は、売上高73億6500万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は10億7200万円(34.3%減)。
(株)エムアイカードは、新型コロナウイルス感染者数の減少に伴い消費活動が活発化したことから、クレジットカード取扱高がコロナ前の水準近くまで回復した。特に、旅行や飲食領域での利用が伸長し、百貨店外でのクレジットカード取扱高については前年実績に対し大きく伸長した。
不動産業は、売上高42億9900万円(4.5%増)、営業利益10億5100万円(20.3%減)。
(株)三越伊勢丹プロパティ・デザインは、主要事業の建装・デザイン事業において、コロナ禍で工事が延期となっていた案件の完工増加等により、前年実績に対し増収となった。
その他の事業は、売上高101億7900万円(16.8%減)、営業損失1億6800万円(前年同四半期は営業損失7憶7900万円)。
旅行業の(株)三越伊勢丹ニッコウトラベルでは、国内旅行の売上高がコロナ前の約9割の水準に戻るなど、順調に回復した。海外旅行については、個人旅行の受注回復が進んでおり、約2年ぶりの海外旅行の取り扱いとなった。しかしながら、団体旅行については、欧州など渡航先でのコロナ感染対策の緩和が進み、受け入れ体制が整いつつある一方で、日本入国時の規制緩和の遅れや、ウクライナ情勢の影響によって催行見送りになるなど、依然厳しい事業環境が続いている。
物流業の(株)三越伊勢丹ビジネス・サポートでは、百貨店事業の回復基調に伴い、ギフト商品などの配送・梱包業務、また、店頭商品の荷受け・館内搬送業務が増加した。グループ外事業については、既存クライアントからの受託業務の伸長、新規クライアントの獲得が順調であったことから、売上げ、営業利益ともに前年実績を上回った。
広告業の(株)スタジオアルタについては、新宿アルタビジョンへのスポット放映が増加したことにより、前年実績、計画に対し大幅な増収となった。
通期は、売上高4940億円(18.1%増)、営業利益170億円(186.2%増)、経常利益170億円(78.6%増)、当期純利益190億円(54.0%)を見込む。