イオン九州news|第3Q営業収益3362億円/経常42億円77%増
イオン九州㈱(福岡県福岡市、柴田祐司社長)が2023年2月期の第3四半期決算を発表した。3月1日~11月30日の業績は、営業収益3362億9500万円(前年同期3564億8800万円)、営業利益37億1600万円(77.2%増)、経常利益42億2000万円(77.3%増)、四半期純利益31億9400万円(134.6%増)の減収増益だった。
なお、同社は「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。)等を第1四半期会計期間の期首から適用している。営業収益の対前年増減率を記載していない。
同社は2022年9月1日付けで、同社とウエルシアホールディングス(株)は、両社の事業を発展的に融合した新業態の開発と運営を行うことを目的として、合弁会社であるイオンウエルシア九州(株)を設立した。
デジタル化の取り組みとして、九州7県全域(※一部離島を除く)を配送対象地域として運営しているネットスーパーでは、新たに4店舗にて当日配送を開始したほか、受け取り専用ロッカー導入店舗を拡大する等、利便性の向上に努めたことで、利用件数は前年同期比105.2%となった。
同社のECサイト「イオン九州オンライン」では、九州各県に配置した地区商品部における商品発掘を推進し、ご当地商品の品揃え拡大に注力した。また、認知度向上と販売チャネル増を目的として、昨年10月に出店した外部ECサイトにおける取り組みを強化したことで、EC売上高は前年同期比119.9%と伸長した。
「イオン九州公式アプリ」は昨年リニューアル、クーポン企画や顧客参加型イベント企画等を推進した。その結果、11月末時点における累計ダウンロード数は91万件を超える規模となり、クーポン利用件数は前年同期比158.3%と大幅に増加、クーポンを利用客の客単価は、全体の平均客単価に比べて約1.7倍となっている。
レジ待ち時間の短縮、また店舗の生産性改善に向けてレジのスマート化を推進し、キャッシュレスセルフレジやセルフレジ等の導入店を累計215店舗に拡大、また、顧客自身がスマートフォンで商品のバーコードをスキャンし専用レジで会計する「レジゴー」導入店舗数は累計29店舗となった。また、店舗特性に合わせて電子棚札の導入を推進し、導入店は累計29店舗となった。
SM・DS・GMS事業
SM(スーパーマーケット)・DS(ディスカウントストア)・GMS(総合スーパー)の売上高は3204億7100万円。なお、収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前年同期比は102.9%となる。11月30日時点の店舗数は、SM155店、DS32店、GMS66店。
店舗面では、11月に「マックスバリュエクスプレス竹下通り店(福岡県福岡市博多区)」含みSM業態2店舗、GMS業態1店舗を新規出店したほか、SM業態9店舗、DS業態2店舗、GMS業態8店舗の活性化に取り組んだ。9月にリニューアルオープンしたイオン福岡店では、独自の新たな雑貨ショップ「スマイルフルデイズ」を導入したほか、スポーツ、キッズ関連、化粧品、冷凍食品売場等を刷新・拡大した。
部門別の取り組みとして、食品では、九州の生産者、お取引先さまと協力して地産地消・地産域消を推進したほか、「簡便・即食」ニーズに対応した総菜や冷凍食品の品揃え拡充に。また、日常消費への節約志向に対応するため、「本気の価格1000品目」「50周年月間おすすめ価格」「トップバリュ」の展開を強化した。独自施策として「環境特別WAONボーナスポイント」を実施し環境配慮型商品の販売拡大に努めたほか、国連WFP協会が推進する「レッドカップキャンペーン」に賛同し、10月の「世界食料デーキャンペーン2022」に合わせて対象商品の売場を拡大するなど、顧客が買物を通じて参加できる社会貢献の取り組みを行った。
衣料品・住居余暇商品では、行動制限の緩和や政府による観光支援策等によりトラベル関連商品の売上が伸長したほか、アウトドア、ウォーキングやフィットネス関連商品、ウェルネスフード等が好調に推移した。
サステナブル社会づくりに向けた取り組みとして、4月に実施した衣料品回収イベントで集めた服や繊維くず等から作ったリサイクルポリエステル使用の商品を「moz」ブランドとして10月から販売を開始した。
DS業態店舗では、原材料調達や製造方法などの工程で徹底的に無駄を省いたオリジナルブランド商品を新たに発売したほか、ローコスト運営の実現に向けて省力化什器の導入等、店舗作業の軽減に取り組んだ。
HC事業
HCの売上高は139億3500万円。収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前年同期比は103.7%。11月30日時点の店舗数は33店舗。
店舗面では、11月に「植物の『チカラ』でこころと体を『Genki』にします」をビジョンとして開発した新業態「GREEN PICNIC糸島」をオープンした。当該店舗では、生産者直送の多肉植物・花苗や観葉植物、雑貨やインテリア用品等、室内外用のガーデン関連の品揃えに努めたほか、糸島エリアで人気のスイーツの販売等、「買う」「食べる」「遊ぶ・すごす」「地域とつながる」の4テーマで多目的ガーデニングプレイスづくりに取り組んだ。
2019年からサービス開始している生活サポートサービス「WIDE(ワイド)便」の実施店舗は、今年度に導入した福岡県内3店舗、山口県内1店舗を含め、25店舗となった。
その他の事業として、サイクル事業では、4月に「イオンバイク八幡東店(福岡県北九州市八幡東区)」をGMS店舗内にオープンした。
商品面では、スポーツタイプや電動自転車、オリジナルブランド「hygge(ヒュッゲ)」の販売に注力した。また、9月よりシナネンサイクル(株)と自転車通販の相互店舗受け取りサービスの実現に向けた取り組みを開始した。
フランチャイズ(FC)事業では、シュークリーム専門店「ビアードパパの作り立て工房」を4店舗、ドリンク・クレープ専門店「FOOD BOAT Cafe(フードボートカフェ)」を1店舗、「100時間カレー」を1店舗、GMS店舗内に出店した。
また、単独での出店だけではなく隣接して展開することで、店舗の魅力度向上、事業の生産性改善にも取り組んだ。
その結果、第3四半期累計期間における売上高は18億8800万円となった。
収益認識会計基準等の適用影響を除いて算出した場合の前年同期比は、前期にワイドマート4店舗を閉鎖した影響等により81.4%となります。11月30日時点の店舗数は45店舗。