アークスnews|営業収益5662億円・経常164億円5.0%減
(株)アークス(札幌市中央区、横山清社長)が2023年2月期の本決算を発表した。売上高が5662億0900万円、営業利益143億3500万円、経常利益164億4400万円(対前年増減率5.0%減)、当期純利益99億4700万円(3.5%減)。当該年度より「収益認識に関する会計基準」を適用しているため、売上高、営業利益では対前年増減率を記載していない。
営業利益率は2.5%(3.2%)、経常利益率は2.9%(3.5%)。( )は前年数値。
グループ10社の既存店伸び率は101.0%、客数98.4%、客単価102.7%。
営業面では、顧客の生活防衛意識の高まりやそれに伴うニーズの多様化に対応するため、グループのプライベートブランド(PB)商品と位置付けている「CGC商品」の販売強化や、コーヒー、米菓、ドレッシングなどのカテゴリーマネジメントによる商品構成の見直しを進めた。また、2022年11月にはアークス設立20周年記念事業として、「20周年記念・事業会社オリジナル弁当の販売」や「RARAカード会員様への総額1,000万ポイント還元キャンペーン」、「20周年記念アイテムの拡販」など特別企画を実施した。
新日本スーパーマーケット同盟では、共同販促や同盟限定オリジナル商品の開発、間接資材の共同調達などを進め、他社との差別化やコスト削減に取り組んでいて、特に同盟各社の地域性を活かしたご当地オリジナル商品が好評だった。また、ラルズ・東光ストアの共同配送センターにおける稼働率改善の取り組みなど、物流改革による効率化も推進した。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進では、DX推進委員会を軸に新基幹システムの更なる利活用を進め、グループ全体で在庫水準の適正化や値引・廃棄ロスの改善、販売価格・仕入れ価格の共有化等に取り組み、システムマインドを強化・徹底した。また、デジタルサイネージについてラルズ及び道南ラルズに導入を図り、産地と連携した独自コンテンツの作成・配信を実施した。
販売費及び一般管理費では、エネルギー価格の高騰に対応するため、エネルギー監視システムの活用や照明・冷設機器等の運用ルールを見直ししたほか、省エネ性能の高い調光機能付きLED照明への切り替えや冷凍ケースのリーチイン化など、電気使用量及びCO2排出量の削減に資する設備投資を当初計画よりも前倒しで実施した。
キャッシュレス決済の取り組みでは、2022年6月における各種QRコード決済の導入以降、QRコード決済事業者や自治体との連携に加えマイナポイント事業への積極的な参画等により、キャッシュレス決済比率は2023年2月末日時点で43.3%(対前年同月比+5.4%)で推移している。
また、アークスアプリの機能向上を図り、アークスRARAカードについて、従来のプリペイドカードに加えクレジットカードもアプリ上で決済可能な機能を実装させた。今後は、アークスアプリを活用したデジタルマーケティングの取り組みを強化を図る。
㈱ラルズが運営する「アークス オンラインショップ」は、取り扱い拠点を従前の1店舗から4店舗へ増強し、対象世帯数は当初の22万世帯から2023年2月末日時点で129万世帯、配送地域も当初の札幌市の一部及び石狩市の一部から札幌市全域を含めた7市3町へと広げた。
店舗展開は、新規出店として、2022年9月に北海道函館市に「スーパーアークス千代台店」(道南ラルズ)及び岩手県北上市に「ユニバース北上花園町店」(ユニバース)を開店した。また、既存店活性化として、第4四半期期間(2022年12月1日から2023年2月28日)で4店舗の改装を行い、うち2店舗は「スーパーアークス」へ業態変更した。
一方、「スーパーアークス千代台店」の開店に伴い、2022年8月に近隣の「ラルズマート日乃出店」(道南ラルズ)を閉店するなど、計4店舗を閉店した。通期では、新規出店が2店舗、改装22店舗(うち業態変更8店舗)、閉店が4店舗となり、期末のグループの総店舗数は373店舗となった。
サステナビリティ活動では、2022年6月にサステナビリティ推進室を新設し専任者を配置するとともに、「サステナビリティに関する重点課題(マテリアリティ)」に基づき、グループ全社において「サステナビリティアクションプラン」を策定し、KPIの設定に取り組んでいる。
アークスグループ共通の食品ロス削減策として、前述の「てまえどり運動」や「フードドライブ」の実施、災害時に物資供給や避難場所提供等を行う連携協定を43の自治体と締結するなどの取り組みを進めている。また、気候変動問題への取り組みとして、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への対応を進めるためタスクチームを立ち上げている。