オイシックスnews|年商1152億円1.5%増・営業利益19.8%減
オイシックス・ラ・大地(株)(東京都品川区、髙島宏平社長)が2023年3月期の本決算を発表した。
売上高1151億7600万円(前年同期比1.5%増)、営業利益33億4600万円(19.8%減)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)55億9500万円(10.0%減)、純利益18億0700万円(33.7%減)となった。
営業利益率2.9%。
同社は、経営戦略の柱である「国内宅配事業の成長・収益力強化」に向け、カスタマーエクスペリエンスの進化およびローコストオペレーションの取組みを実行している。また、国内宅配事業で培ったノウハウを活かし「国内B2Bサブスク事業」や「次世代フード事業」など非連続な成長に向けた事業ポートフォリオの拡張、「サステナブルリテール戦略」に基づいたフードロスの削減や温室効果ガス削減への取組みを強化している。
「Oisix事業」は売上高594億1300万円(1.5%増)、セグメント利益は75億6200万円(7.5%増)。
インターネットを通じて主に食品・食材の直販を行うOisixは、共働きの子育て世代を主要ターゲットとし、プレミアムな時短を実現する商品、サービスを提供している。上半期は前年度に発生したORD海老名ステーション(物流センター)への移転トラブルからの回復期間と位置づけ、積極的な新規会員獲得は実施していなかったものの、当第4四半期連結会計期間には新たな獲得手法への挑戦も含めた大規模な新規会員獲得のプロモーションを実施した結果、会員数は、前年度末(2022年3月末)の34万6083人から、2023年3月末には40万1643人となった。売上高は、会員数が継続的に伸長した結果、前年度と比べ、増加した。
「大地を守る会」は売上高123億4500万円(6.8%減)、セグメント利益は24億8000万円(9.3%増)。
カタログやインターネットを通じて主に食品・食材の直販を行う大地を守る会は、シニアの二人暮らし世帯を主要ターゲットとし、”ちゃんとした食生活”のコンセプトの元、ターゲットニーズに沿った新サービスの開発、磨き上げに注力している。会員数は、前年度末の4万1688人から、2023年3月末には4万1770人へと減少している。また、売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりイレギュラーに増加していた前年度と比べ、減少している。セグメント利益は、売上高減少に伴い事業活動による利益は減少したが、2017年の大地を守る会買収に関連したのれん償却が前年度で終了し、償却負担が減少し、増加した。
「らでぃっしゅぼーや」は売上高169億3900万円(2.8%減)、セグメント利益は25億4000万円(4.6%増)。
カタログやインターネットを通じて主に食品・食材の直販を行うらでぃっしゅぼーやは、料理などの日常生活を通じて社会貢献をしたい世帯を主要ターゲットとし、「ふぞろいRadish」などの商品、サービス開発を進めている。会員数については、当連結会計年度は四半期ごとの会員純増を継続しており、前年度末の6万5093人から、2023年3月末には6万7825人へと増加している。売上高については、会員数は増加したもののARPUがイレギュラーに増加した前年度と比べ、減少している。一方で、継続的な成長を続けるための収益力向上施策を行った結果、セグメント利益は増加している。
「Purple Carrot」は売上高97億9800万円(4.0%減)、セグメント損失は5億3000万円(前期は3億8700万円の利益)。
米国で、ヴィーガンに特化したミールキットの宅配事業を展開するPurple Carrotは、米国における経済活動の再開をうけ、売上高は会員数が前第1四半期会計期間をピークとして段階的に低減していることに伴い減少している。セグメント利益については、2022年5月からの商品価格適正化の効果もあり、改善傾向がみられるものの、売上減影響、原材料や人件費のインフレ影響により減少している。
その他事業はソリューション事業、店舗事業、海外事業(Purple Carrotを除く)、卸事業等から成る。
売上高は179億4600万円(23.1%増)、セグメント利益は16億9000万円(19.3%増)。
保育園卸・水産品卸(豊洲漁商産直市場)などの卸事業の業績が回復、伸長したことや、食品宅配サービスの定着による他社EC支援(ISETANDOOR、dミールキット)などのソリューション事業の会員数が増加したことから、全体では売上高・セグメント利益は増加した。
次期は、売上高1265億円(9.8%増)、営業利益60億円(79.3%増)、EBITDA80億円(43.0%増)、当期純利益38億円(110.2%増)を見込む。