ファストリnews|第3Q売上収益2兆1435億円21.4%増・営業利益21.9%増

(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正会長兼社長)の2023年8月期第3四半期の連結業績は、売上収益が2兆1435億円(前年同期比21.4%増)、営業利益は3305億円(21.9%増)と、大幅な増収増益だった。

金融収益・費用は、ネットで286億円のプラスとなった。これは主に、債券の運用額が増加し、受取利息が増加したことによるもの。

この結果、税引前四半期利益は3592億円(2.8%増)、四半期利益は2385億円(0.3%増)。

売上収益に対する営業利益率は15.4%。

国内ユニクロ事業は、売上収益が7097億円(前年同期比10.7%増)、営業利益は996億円(3.0%減)。大幅な増収となったが、円安による原価率上昇で減益となった。既存店売上高は5.5%増で、夏物商品や羽織物、トレンドを捉えたボトムスの販売が好調だった。ただし、売上高総利益率が1.7ポイント低下、売上高販管費比率が0.3ポイント上昇したことで、減益となった。

売上高総利益率は、追加生産分に使用するスポットの為替レートが想定以上に円安となり原価率が上昇したことや、過年度からの春物在庫の処分を強化し、在庫適正化を進めたことで低下した。

売上高販管費比率の上昇は、主に3月から給与水準を引き上げたことで、人件費比率が上昇したため。ただし、第3四半期連結会計期間の一人当たり売上高は前年同期比で改善しており、生産性は向上している。

海外ユニクロ事業の売上収益は1兆0976億円(30.5%増)、営業利益は1841億円(38.6%増)。すべての地域で大幅な増収増益となった。

グレーターチャイナでは、とくに中国大陸の既存店売上高が4割超の増収と、想定以上の売上げとなった。東南アジア・インド・豪州地区では、とくにシンガポール、タイ、インド、オーストラリアの業績が好調だった。北米は、コア商品の販売が好調だった。欧州は、ボトムス、リネンシャツなどのコア商品の販売が好調だった。さらに、ラウンドミニショルダーバッグやブラトップの情報発信を強化したことで、SNS上で大きな話題になり、女性や若年層を中心に、顧客層が拡大した。

ジーユー事業の売上収益は2279億円(19.7%増)、営業利益は258億円(44.6%増)と大幅な増収増益となった。品番数を絞り込み、マストレンド商品の数量を十分に持ち、それらの商品のマーケティングを強化したことで、スーパーワイドカーゴパンツなど数々のヒット商品が生まれた。

グローバルブランド事業の売上収益は1064億円(18.2%増)、営業利益は14億円(105.4%増)と大幅な増収増益となった。第3四半期連結会計期間3カ月間では、セオリー事業が、大幅な増収増益となった。プラステ事業は、赤字店舗の閉店など事業構造改革を進めていることで、若干の減益。コントワー・デ・コトニエ事業は減収、赤字幅がやや拡大している。

2023年8月期の連結業績予想は、売上げで500億円、利益で100億円の増額と修正し、売上収益2兆7300億円(前期比18.6%増)、営業利益3700億円(24.4%増)、当期利益2600億円(4.9%減)を見込んでいる。

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