セブン&アイnews|第1Q売上高2兆7348億円3.2%増・経常利益25.4%減
(株)セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、井阪隆一社長)は2025年2月期第1四半期決算を発表した。営業収益2兆7347億5000万円(対前年増減率3.2%増)、営業利益593億4400万円(27.6%減)、経常利益550億円(25.4%減)、四半期純利益213億8800万円(49.3%減)。
営業利益率2.2%(3.0%)、経常利益率2.0%(2.0%)。( )は前年数値。
セブン&アイグループでは「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」を掲げて、中期経営計画(2023年3月9日公表)に沿った各事業戦略およびグループ戦略を推進している。
主なセグメント別の営業収益、営業利益では、国内コンビニエンスストア事業は営業収益2249億7900万円(1.8%減)、営業利益612億5400万円(4.4%減)。中核事業会社であるセブン-イレブン・ジャパンは、人口減少、少子高齢化の進行、物価上昇及び実質賃金の低下、消費の二極化等の外部環境変化がある中で、顧客の消費行動変化へ対応すべく、「マーケットニーズに対応した品揃えの拡充」、「お客様への新たな買い物体験の提供」等、客層の拡大と来店頻度の向上に向けた取り組みを進めている。
デリバリーサービス「7NOW」については全国展開に向けた体制構築等の取り組み強化に加え、「7NOWアプリ」の認知度向上等の施策に取り組んだ。既存店売上げは前年並みとなり、営業収益2102億6300万円(0.4%減)、営業利益は611億9400万円(5.1%減)となった。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上げは1兆3270億1500万円(0.2%増)となった。
今後の取り組みについて、永松文彦セブン-イレブン・ジャパン社長は「価値訴求を続けつつ、価格対応もする。例えば、沖縄県で128円の鮭おにぎりを実験的に販売した。粗利益率は下がったが、販売点数が増え、粗利益額が伸びた。こうした事例を全国でに広げる。また、北海道ではスーパーマーケット向けPBを品揃えするテストも行っている。その上で高粗利である焼成パン、ファストフードなどのカウンター商材を強化することで粗利益のバランスをとる」と語った。
海外コンビニエンスストア事業の営業収益は2兆0294億3800万円(6.8%増)、営業利益は44億7300万円(78.7%減)。北米の7-Eleven, Inc.は、引き続きインフレと高金利の中で消費の二極化が進んだうえ、政府の補助金を始めとした支援策の終了により消費が冷え込んだ。また店舗が集中する都市部の賃料高騰も利益を圧迫した。そうした中で、「オリジナル商品の強化」、「デジタル・デリバリー施策の促進」、「Speedwayとの統合によるシナジー創出」、「店舗網の拡大」という4つの施策を進めた。
第1四半期のドルベースの米国内既存店商品売上は前年を下回り、営業利益(のれん償却前)は299億7600万円(68.6%)となった。自営店と加盟店の売上げを合計したチェーン全店売上げは、2兆4278億5800万円(同107.1%)となった。また、2024年4月16日付にて米国Sunoco LP社からのコンビニエンスストア事業およびガソリン小売事業の一部の取得を完了した。
米国における市場シェアをさらに高め、より一層成長を加速させていく。既存の展開国については、2023年2月にベトナム事業に対する投融資を決定し、2023年11月にベトナム事業を所有するGRO Holdings Joint Stock Companyを持分法適用会社とした。
また、2024年4月1日付で、オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有するConvenienceGroup Holdings Pty Ltdの買収を完了した。
スーパーストア事業の営業収益は3592億3200万円(0.3%減)、営業利益は33億1600万円(5.8%減)となった。主な事業会社では(株)イトーヨーカ堂が2125億6200万円 (20.5%増)、営業損失6億6200万円(前年同期1億6300万円の営業損失)となった。2023年9月の(株)ヨークとの合併に伴い売上高は前年を上回ったが、引き続き収益性改善に向けた取り組みの進捗中だ。
2024年2月27日に稼働を開始させたPeaceDeli千葉キッチンを含め、プロセスセンターやセントラルキッチン等の戦略投資インフラを活用し、惣菜の新ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げる等、商品の品質向上、店舗の運営効率改善に取り組んでいる。
(株)ヨークベニマルは営業収益1237億9700万円(2.8%増)、営業利益43億8200万円(4.3%減)となった。原材料価格高騰への価格対応及び販売促進施策が奏功し、既存店売上げは前年を上回ったものの、販促費用や人件費等の販管費が増加し、増収減益となった。金融関連事業の営業収益は523億4000万円(2.7%増)、営業利益は83億7500万円(15.8%減)となった。
(株)セブン銀行における期末時点の国内ATM設置台数は2万7552台(前期差182台増)となった。預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持し、1日1台当たりのATM平均利用件数は107.2件(前年同期差3.2件増)となり、期中のATM総利用件数は前年を上回った。