イオンnews|第1Q営業収益2.4兆円で四半期過去最高も減益

イオン(株)(千葉県千葉市、吉田昭夫社長)の2025年2月期第1四半期の決算は営業収益が2兆4492億1600万円(対前年同期比5.4%増)、営業利益477億9500万円(7.1%減)、経常利益は453億9700万円(5.7%減)となった。四半期純利益は51億2500万円(71.1%減)。営業収益が四半期で過去最高を更新した。営業利益と経常利益は前年対比で減益となったが、過去最高の前年に次ぐ過去二番目の水準となった。

営業利益率2.3%(2.3%)、経常利益率2.6%(2.2%)。( )は前年数値。

総合スーパー事業は、営業収益8539億3400万円(1.5%増)、営業損失34億4800万円(前年同期より46億1700万円の減益)となった。イオンリテール(株)では「荒利益額の最大化」「ショッピングセンター収益改善」「デジタル売上拡大」を実行しながら、さまざまなコスト上昇に耐えうる経営基盤を構築すべく「収益構造改革」を加速している。成長領域を中心に商品開発を強化、食品の売上げが拡大した。

Z世代世代向け新コスメブランドSokko(ソッコー)beautyを投入したH&BC(ヘルス&ビューティケア)では外出需要やインバウンド需要が引き続き好調を維持している。

SPA(製造小売業)化による荒利益率の向上を目指す衣料品では、デイリーカジュアル、ネクストエイジ(若年層)、スポーツライフ、セカンドライフ(シニア層)、オケージョン、雑貨の6つの領域で、「専門店モデル」の導入を加速し、荒利益率を改善している。住居余暇では、昨年からリニューアルを続けるHOME COORDY商品の導入や、猛暑・節電対応の早期の売場展開により、粗利益率が大きく改善している。

ショッピングセンター事業は集客策、空床の削減、テナントの一時利用の拡大などの施策によって、収益改善を図った。それにに加えて施設の魅力を高めるための大型活性化(スーパーストア化)によってテナント家賃収入が増加した。デジタル事業対策として、ネットスーパーの品揃えを充実させ、商品をピックアップできる場所と拠点数をさらに拡大した。非食品のイオンスタイルオンラインは店頭売場と連動した販売強化によって、過去最高の売上高となった。収益構造改革では、店舗・本社の経費削減とデジタルを活用した生産性改善の両輪で推進している。

イオン北海道(株)では、中期5カ年経営計画の4年目となる2024年度は成長を加速する年度と位置づけている。「独自商品の強化」「新オペレーションへの移行と定着」を最重点施策として取り組んだ結果、第1四半期期間の売上高としては過去最高を更新した。生産性改善では、電子棚札の導入店舗は42店舗、セルフレジ導入店舗は120店舗へ増加、情報伝達や数値情報の確認を容易にする「CIボード」を55店舗、勤務計画をAIが自動立案する仕組みを127店舗の食品レジ部門に導入した。

イオン九州(株)は、中期経営計画(2024~2026年度)で「成長領域へのシフト」「商品改革」「既存資産の魅力度向上」「生産性・経営効率の向上」「サステナブル経営の推進」の4点を掲げ、重点的に取り組んだ。その結果、インバウンド需要の増加に加え、半導体関連産業を中心とした設備投資の活発化によって、地域経済への波及効果が生まれた。

実店舗では、観光地の新店舗に免税カウンターを設置してインバウンドの取り込みに努めた。都市部では小型フォーマット「マックスバリュエクスプレス」をオープンし、シェア拡大を図った。スーパーマーケットとドラッグストアが融合した新フォーマット「ウエルシアプラス」の出店を加速すべく、店舗オペレーションの確立と資格取得者の確保や専門スタッフの育成に注力した。

スーパーマーケット事業は、営業収益7317億9900万円(10.1%増)、営業利益36億7800万円(58.6%減)となった。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)は(株)いなげやとの2024年11月の経営統合を契機に、グループ売上高1兆円、1000店舗体制を目指し、商品の共同調達、物流・プロセスセンターの整備など経営の効率化とシナジーの創出を目指す。

サプライチェーン改革の一環として、期中、マルエツ草加デリカセンター(埼玉県草加市)を本格稼働させた。グループ529店舗のうち約500店舗に商品を供給する計画だ。また、事業各社ごとに地域社会の課題解決に向けて、地域特性やニーズに合わせた社会貢献活動、顧客とともに取り組む食品支援活動や募金活動、あるいは地域行政との包括連携協定、買物困難地域への移動スーパーの運行などの活動を通じて、地域とのつながりの強化に努める。

(株)フジは、同社を存続会社、(株)フジ・リテイリングおよびマックスバリュ西日本(株)を消滅会社とする吸収合併を3月1日に実施した。さらに2030年度における目標を営業収益1兆円とする 2024~2026年度中期経営計画を立て、新生「(株)フジ」としてスタートした。計画どおり統合シナジーを創出すべく、事業インフラの統合と最適化、調達、販促の統一のほか、トップバリュの導入拡大など商品構成の再構築も進めている。

マックスバリュ東海(株)は株式上場20周年を迎えた。商品面では、生産者を応援し地域に親しまれる「じもの」に関して「富士宮やきそば」を一例にトップバリュブランド商品の拡販を進めた。また、健康的な食生活提案の「ちゃんとごはん」に取り組んで、産学連携や従業員の声に基づいた顧客視点の商品の提案を実施した。さらに、得意日の販促やトップバリュの展開強化のほか、食べきり・使いきりに適した小分け商品の品揃えを強化した。

ディスカウントストア事業は、営業収益1004億6900万円(0.9%増)、営業利益19億1500万円(14.0%増)となった。生鮮食品を中心とした価格競争力の強化による節約ニーズへの対応に注力し、単位当たりの安さを追求したケース販売や、大容量商品の訴求を進めた。

また、店舗作業の削減と省力化による投入人時の削減に取り組むなど、ローコストオペレーションを確立したフォーマットの構築により、販売管理費の削減が増益に貢献した。

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益3179億5700万円(6.1%増)、営業利益53億4300万円(74.6%減)となった。ウエルシアホールディングスおよび同社連結子会社では、外出需要の増加を背景に化粧品の売上げが増加したことに加え、オリジナルPB「からだ Welcia」「くらし Welcia」の開発及び拡販、インバウンド需要への対応に注力した。調剤部門では、調剤併設店舗数の増加(第1四半期末現在2167店舗)により処方箋受付枚数が増加した。

また、「WAON POINT」サービスとの連動により、同社のポイント会員であるウエルシアメンバーが1176万人まで増加した。

総合金融事業は、営業収益1271億9300万円(9.8%増)、営業利益149億1500万円(57.4%増)となった。国内カード有効会員数は3177万名(期首差28万名増)、カードショッピング取扱高は1兆8498億6400万円(5.3%増)と堅調に推移した。

ディベロッパー事業は、営業収益1218億8200万円(4.3%増)、営業利益157億2900万円(12.2%増)となった。国内では、既存モール専門店売上げが対前年同期比3.1%増(対象92モール)と伸長して増収増益となった。海外では、業績好調のベトナムとインドネシアが中国とカンボジアを補い、増益を確保した。

サービス・専門店事業は、営業収益1799億9700万円(0.3%減)、営業利益59億6600万円(9.0%増)となった。

国際事業は、営業収益1422億8700万円(7.6%増)、営業利益39億5400万円(22.5%増)となった。

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