三越伊勢丹news|第2Q売上高2641億円6.3%増・経常利益69.0%増
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)が2025年3月期の第2四半期決算を発表した。
4月1日~9月30日の連結業績は、売上高2640億9300万円(前年同四半期比6.3%増)、営業利益348億8400万円(72.8%増)、経常利益387億1100万円(69.0%増)、中間純利益253億9400万円(70.8%増)と増収、大幅増益となった。
営業利益率は13.2%、経常利益率は14.7%。
主力の百貨店業は、売上高2198億2100万円(5.4%増)、営業利益295億5100万円(76.0%増)。国内百貨店では、国内外の顧客の消費意識がより一層高まり、首都圏店舗を中心に入店客数が伸長し増収増益となった。ラグジュアリーブランドなどの高額品や化粧品だけでなく、婦人・紳士の衣料品など幅広い商品が好調に推移した。その結果、総額売上高は大幅に伸長した前年実績をさらに上回り、前年同期比2桁以上の増収となった。
免税売上高については、ラグジュアリーブランドのハンドバッグや宝飾品などの高付加価値商品に加えて、化粧品やベビー・子ども用品も好調に推移した。首都圏の都心店舗だけでなく地域百貨店においても、急伸した前年実績からさらに拡大し、当中間連結会計期間における国内百貨店合計の免税売上高は過去最高額を更新した。
オンライン事業に関しても、カテゴリー別のサイトを中心に取り組みを強化しており、化粧品(meeco)やMOO:DMARK(ムードマーク)などのサイトの売上げが前年同期比2桁以上上回るなど堅調に推移した。また、販管費コントロールの取り組みを引き続き強化したことで、当中間連結会計期間において大幅に利益が改善した。
海外事業では、米国で昨年度リモデルオープンしたレストランが好調に推移したことにより、売上げと営業利益がともに大幅に計画を上回った。9月には、(株)三越伊勢丹の子会社であるイセタン(シンガポール) Ltd.の、完全子会社化の手続きが完了し、シンガポール証券取引所での上場廃止となった。
クレジット・金融・友の会業は、売上高163億9500万円(4.6%増)、営業利益31億8600万円(125.8%減)。(株)エムアイカードでは、グループ百貨店と連携した割賦手数料とアクワイアリングの収入拡大により、増収となった。加えて、収支構造改革の取り組みにより販売管理費を大きく削減することができ、大幅に収益拡大した。
不動産業は、売上高132億0700万円(20.0%増)、営業利益14億4100万円(16.6%増)。グループの保有物件のテナントの入れ替えにより賃料収入が増収となった。(株)三越伊勢丹プロパティ・デザインでは、外部の大型開発案件のホテルやオフィス、ブランドショップ改装の施工を中心に売上げが拡大し、原材料費の高騰の影響を受けたものの、増収となった。
その他の事業は、売上高447億8900万円(5.4%増)、営業利益5億7200万円(13.8%減)。(株)エムアイフードスタイルでは、三越伊勢丹のグループ力を活かしたプライベートブランドの販路拡大やOEM受注拡大、グループの識別顧客であるエムアイカード会員に向けたキャンペーンの実施などに取り組んでいる。2024年11月にはJR埼京線十条駅の再開発地に「クイーンズ伊勢丹十条店」の新規出店を予定している。エムアイフードスタイルは、独自性の高いプライベートブランドを中心とする高品質な食品スーパーマーケット「クイーンズ伊勢丹」17店舗の運営や食品のOEM製造などを手掛けている。
旅行業の(株)三越伊勢丹ニッコウトラベルでは、特にコロナ期以前の水準まで復活した海外旅行需要の回復に対し、同社独自の欧州リバークルーズの増発、「グループ連邦戦略」による法人旅行取扱いや、急増するインバウンド旅行取扱いが寄与し、収入が拡大した。また、収支構造改革の取り組みにより、固定費の上昇を徹底して抑えた結果、大幅な増収増益となった。
メディア事業の(株)スタジオアルタでは、グループ統合ハウスエージェンシーとして、百貨店の広告メディア販売事業(屋外広告・デジタルサイネージなど)の伸長やグループの広告・装飾の製作の統合、蓄積したノウハウと資産の活用による外販の増加により、大幅な増収増益となった。