H2Onews|年商6818億円3.7%増/営業利益・経常利益は過去最高を記録

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)が 2025年3月期の本決算を発表した。

2024年4月1日~2025年3月31日の連結業績は、売上高6817億5900万円(前年同期比3.7%増)、営業利益348億3000万円(33.0%増)、経常利益359億0900万円(28.8%増)、当期純利益348億4200万円(59.1%増)だった。

営業利益率は5.1%、経常利益率5.3%。

収益認識に関する会計基準等による影響を除外した従前の基準での売上高に相当する総額売上高は1兆1596億3200万円(8.0%増)と、前期に引き続き過去最高を更新した。

訪日外国人客の増加や高額品ニーズの高まりなど、急拡大するインバウンド消費を受けた海外顧客向けの中長期での取り組みや、二極化する消費マーケットに向けた取り組みに同時並行で注力し、百貨店事業ではインバウンド売上げが好調に推移した。また、食品事業では生活防衛意識の高まるなか、客数が堅調に推移し、総額売上高は前期を大きく上回った。

総額売上高の伸びが寄与した結果、連結営業利益は348億3000万円となり、「中期経営計画2024-2026」の営業利益目標320億円を2年前倒しで達成した。連結経常利益は359億0900万円となり、いずれも過去最高を記録した。

百貨店事業は、総額売上高6349億5900万円(10.0%増)、営業利益282億3400万円(43.8%増)で、いずれも過去最高となった。

国内売上高は堅調に推移し、インバウンド売上高も前期の約1.6倍に伸長したことで大幅な増収となった。店舗別では、インバウンド売上げの伸長による押し上げもあり、阪急本店、博多阪急などの都心型店舗が好調で、両店とも過去最高売上げを記録した。カテゴリー別では、ラグジュアリーブランドファッションや宝飾品・時計などの高額商材のニーズが引き続き強く売上げを牽引するなか、衣料品や化粧品なども好調で、全カテゴリーで前期実績を上回った。

食品事業は、総額売上高4285億4300万円(前期比100.7%)、営業利益89億4500万円(前期比126.2%)と、増収増益となった。

(株)関西フードマーケットの完全子会社化に伴い、営業本部・本社機能を統合して動き出すとともに、製造事業も再編し、事業の体制を整備した。食品スーパーでは、物価高騰による生活防衛意識の高まりにより買上げ点数が前期を下回ったが、屋号を越えた共同販促の実施などにより客数は堅調に推移し、既存店売上高はイズミヤ・阪急オアシス(株)で前期比101.0%、(株)関西スーパーマーケットで同102.2%となった。

製造事業では原材料が高騰するなか、生産性の向上により業績は堅調に推移した一方で、宅配事業は稼働率が上がらず苦戦した。

商業施設事業の総額売上高は317億6600万円(0.9%減)、営業利益39億2000万円(21.5%増)。ホテルを運営する(株)大井開発では、首都圏での活発な宿泊需要を受け、客室平均単価と稼働率の最大化を図る機動的な価格施策の精度向上と低稼働日対策の強化により、売上高・営業利益ともに過去最高を記録した。

イズミヤのショッピングセンター運営と衣料品・住居関連品販売およびテナント管理を行う(株)エイチ・ツー・オー商業開発は、地域とのつながりの強化、魅力向上のための改装投資を実施し、カナートモール住道とイズミヤショッピングセンター学園前をリニューアルした。

その他事業の総額売上高は643億6300万円(64.9%増)、営業利益は21億9800万円。当期から新たに連結子会社となった寧波阪急商業有限公司は、消費が低迷する中国市場において前半は売上げが伸び悩んだが、実施した改装の効果により2024年秋以降は増収基調を取り戻している。また、子会社からの配当金収入が増加したことにより、その他事業全体では大幅な増益となった。

2026年3月期は、売上高6900億円(1.2%増)、営業利益300億円(13.9%減)、経常利益310億円(13.7%減)、当期純利益180億円(48.3%減)を見込む。

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