バローnews|営業収益8078億円6.3%増・経常利益256億円11.1%増
(株)バローホールディングス(岐阜県多治見市、田代正美会長兼CEO)の2025年3月期決算は営業収益8544億3500万円(前年同期比5.8%増)、営業利益231億9100万円(1.5%増)、経常利益261億7900万円(2.2%増)、当期純利益は10億7900万円(35.5%減)。
営業利益率2.7%(2.8%)、経常利益率3.1%(3.2%)。( )は前年数値。
30期連続増収、純利益は過去最高となった。人件費が77億円増加するなど、販管費増はあったが、売上総利益率が26.7%から26.8%へと0.1ポイント改善したことを含めて売上総利益の増加でカバーした。
主なセグメントの業績を営業収益、セグメント利益は次のようになる。
スーパーマーケット/4833億円5700万円(6.4%増)、194億6900万円(4.6%増)
ドラッグストア/1773億4400万円(3.8%増)、40億1700万円(26.2%減)
ホームセンター/1274億2200万円(2.8%増)、35億6400万円(7.3%減)
ペットショップ/304億9000万円(6.1%増)、10億5800万円(20.8%減)
小池孝幸社長は「スーパーマーケット事業がけん引した」と語った。
前期はグループ新中期3カ年経営計画の初年度にあたり、1兆円企業に向けた構造改革と「成長戦略」「収益戦略」「持続性戦略」「差別化戦略」の4つの戦略を掲げている。
成長戦略は、スーパーマーケット事業では、生鮮品を強化するデスティネーション・ストア戦略をさらに深化させる出店を推進している。バローを中心として、タチヤ、また鮮魚に強い八百鮮など特徴あるスーパーマーケット企業群のネットワークを活かし、「坪売上げ1000万円を出す店もある。こういった店から学び合う」(小池社長)ことで“尖った売場”と“解体理由がある店”を目指す。
ドラッグストア事業ではトーホーストアから譲り受けたスーパーマーケット7店舗をドラッグストアに転換するなど、積極的な新規出店や店舗改装に取り組んだ。
また、小池社長は「2025年度中の関西圏売上高500億円達成の目途が立ったことを踏まえ、成長戦略の要となる関西圏売上高を1000億円規模へと拡大していく」と語った。
また、収益戦略では、流通機能強化に向けた子会社の再編・統合や、成長戦略を後押しするためのインフラの構築に取り組んだ。2024年10月に稼働した名古屋みなとドライ物流センターは、スーパーマーケット事業及びドラッグストア事業の新規出店増に対応し、同時期に稼働した枚方物流センターは、拡大する関西圏の物流機能を強化を進めている。
持続性戦略では、店舗拡大のための人材採用の強化に加え、グループ横断型で次世代リーダーの育成を推進する経営幹部候補研修にも、より力を入れる。また、新入社員をはじめとした全従業員のエンゲージメント向上のためにサーベイ(意識調査)を活用しながら、実効性のある施策を段階的に展開している。
また、地域の課題解決に向けた自治体との包括連携協定は前年同期比8件増の18自治体に拡大し、グループ店舗などへのフードドライブポスト設置や防災イベント開催など、活動を拡げている。
差別化戦略では、稼ぐ力の向上やインフラの構築に加え、顧客との接点強化に向けて、自社電子マネー「Lu Vit(ルビット)カード」やアプリの活用に注力した。、期末の「Lu Vitカード」会員は504万人、アプリ登録会員は131万会員、「Lu Vitクレジットカード」のカード申込受付件数は32万口座となった。
また、バローは2025年度中に、スーパーマーケット「バロー」を関東圏に初出店することを表明した。小池社長は「グループ企業や専門店など84店舗が出店していて、約180億円の規模になっている。まったく未知のマーケットではない。あらゆる物件を精査している。2層型、地下売場など都市部ならではの物件にも対応できるように研究している」と語った。
2026年3月期は営業収益9020億円(5.6%増)、営業利益252億円(8.7%増)、経常利益280億円(7.0%増)、当期純利益140億円(2.5%増)を見込む。グループ総店舗数は1519店舗となり、大台を超える。