ファストリnews|第3Q売上げ2兆6167億円10.6%増/国内外ユニクロが牽引
(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正社長)が2025年8月期の第3四半期決算を発表した。同社は、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用している。
2024年9月1日~2025年5月31日の連結業績は、売上収益2兆6167億0800万円(前年同期比10.6%増)、営業利益4509億5200万円(12.2%増)と、大幅な増収増益だった。税引前四半期利益は5205億0600万円(8.9%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3390億9900万円(8.4%増)となった。
売上収益に対する営業利益率は17.2%。
国内ユニクロ事業は、売上収益が8014億円(11.0%増)、営業利益が1506億円(17.8%増)と、大幅な増収増益となった。通年商品の販売が好調だったことに加え、感謝祭やゴールデンウィーク商戦で夏物コア商品が売上げをけん引し、既存店売上高は7.5%増となった。売上総利益率は、2.1ポイント低下した。これは、調達に使用している為替予約レートが円安となった影響で、原価率が上昇したからだ。それに加えて、春物を中心に在庫処分のための値引き販売を早期に行ったことで、値引率が上昇した。売上高販管費率は、売上収益が増収となったことで、想定的に人件費比率や賃借料比率、広告宣伝費比率が低下し、1.2ポイント改善した。
海外ユニクロ事業は、売上収益が1兆4571億円(12.7%増)、営業利益が2406億円(8.4%増)と、大幅な増収、増益となった。
中国大陸は、前年同期比約5%の減収、営業利益は同約3%の減益となった。中国の市場全体の消費意欲が低下している。それに5月初旬まで低い気温が続き、実需が盛り上がらなかったことが影響した。
香港と台湾は増収となったが、原価率の上昇によって全体に売上総利益率が低下した。さらに売上高販管費比率が上昇したために大幅な減益となった。
韓国は、戦略的に春物商品や通年商品の在庫を準備し、端境期の商売が上手くいった。マーケティング戦略も奏功して、大幅な増収増益となった。
東南アジア・インド・豪州地区は、大幅な増収、増益。夏物商品が好調で、既存店売上高は増収となった。北米は大幅な増収増益、欧州も大幅な増収増益と、好調な業績が継続している。
ジーユー事業の売上収益は2562億円(4.0%増)、営業利益は263億円(10.7%減)と、増収、大幅な減益となった。バレルレッグパンツ群やスウェT、ドライTなどの夏物商品の販売が好調で、既存店売上高は若干の増収となった。しかし羽織物やロングTシャツなど、チャンスの見えた商品の数量とマーケティングが不足したために、売上げは業績予想を下回った。売上総利益率は円安影響を受け、原価率が上昇したことで、低下した。売上高販管費比率は上昇した。これは、給与水準を引き上げた一方で、売上げを十分に拡大できず、人件費比率や本部費比率が上昇したためである。
グローバルブランド事業の売上収益は1005億円(3.1%減)と減収だったが、営業利益は28億円(前年同期は3億円の赤字)と黒字化した。セオリー事業は減収減益。これは主に、日本事業が百貨店の販売に苦戦しているからだ。さらにアジア事業は消費意欲の低下の影響を受けた。プラステ事業は、大幅な増収増益。新商品の販売が好調だったし、感謝祭での打ち出しが奏功した。コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数が減少したために減収となった。しかし買い求めやすい価格帯へ見直した商品の販売が好調だったし、改装した店舗の販売が好調だったために、既存店売上高が増収となり、赤字幅が縮小した。