ファストリnews|年商3兆4005億円9.6%増・営業利益12.6%増

(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正社長)が 2025年8月期の本決算を発表した。同社は、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用している。

2024年9月1日~2025年8月31日の連結業績は、売上収益3兆4005億3900万円(前期比9.6%増)、営業利益5642億6500万円(12.6%増)と大幅な増収増益となり、4期連続で過去最高の業績を達成した。

売上収益に対する営業利益率は16.6%。

国内ユニクロ事業は、売上収益が1兆0260億円(10.1%増)、事業利益が1813億円(17.5%増)と、大幅な増収増益となった。売上収益は初めて1兆円を突破し、過去最高の業績となった。

既存店売上高(eコマースを含む)は、通期で8.1%の増収。上期は前年同期比9.8%の増収、下期は同6.2%の増収と、期を通して販売は好調に推移した。

気温に合わせて戦略的に商品を準備し、マーケティングの打ち出しと連動させたことで実需を捉えられたことが奏功した。また、スウェットやジーンズなど、コア商品にトレンドのシルエットやデザインを反映したことで新しい需要の喚起にもつながった。売上総利益率は前期比0.1ポイント低下とほぼ前年並みの水準となった。売上高販管費比率は、販売が好調だったことで、賃借料比率や人件費比率が低下し、前期比1.2ポイント改善した。

海外ユニクロ事業は、売上収益が1兆9102億円(11.6%増)、事業利益が3053億円(10.6%増)。大幅な増収増益で、過去最高の業績となった。

グレーターチャイナは、売上収益が6502億円(4.0%減)、事業利益が899億円(12.5%減)と、減収、大幅な減益となった。中国大陸は、通期では現地通貨ベースで約4%減収、事業利益は約10%減となった。ただし、当第4四半期連結会計期間の事業利益は、売上総利益率と売上高販管費比率が改善したことで、約11%増益となった。香港は、商品構成の課題や消費意欲の低下の影響で、減収、大幅な減益。台湾は増収、減益だったが、ロイヤリティ費用増の影響を除くと若干の増益。

韓国と東南アジア・インド・豪州地区は、売上収益が6194億円(14.6%増)、事業利益が1169億円(20.5%増)と、大幅な増収増益となった。韓国は、気温に対応した商売やマーケティング戦略が奏功し、大幅な増収増益となった。東南アジア・インド・豪州地区は、コア商品を中心に販売が好調で、大幅な増収増益。

北米の売上収益は2711億円(24.5%増)、事業利益は442億円(35.1%増)、欧州の売上収益は3695億円(33.6%増)、事業利益は542億円(23.7%増)と、大幅な増収増益。両地域ともに、新規出店した店舗が大成功を収めたことに加え、店舗がメディアとなり、認知度が向上することで、eコマース販売もさらに拡大する好循環ができた。なお、米国は、追加関税の影響が出始めた当第4四半期連結会計期間も、大幅な増収増益となった。商品価格の見直しや値引率の改善、経費コントロールの強化などにより、追加関税によるコスト増を吸収し、事業利益率も改善した。

ジーユー事業は、売上収益が3307億円(3.6%増)、事業利益が283億円(12.6%減)と増収、大幅な減収となった。マストレンドを捉えたヒット商品が十分でなかったことや、売れ筋商品の欠品により、既存店売上高は前年並みと、売上げを最大化することができなかった。利益面では、報酬引き上げに伴う人件費の増加や、米国出店に伴う費用増により、販管費比率が上昇し、大幅な減益となった。

グローバルブランド事業は、売上収益が1315億円(5.3%減)、事業利益が26億円(前期は1億円の黒字)と減収増益。営業利益は9億円の赤字(前期は6億円の黒字)となったが、これはコントワー・デ・コトニエ事業で事業構造改革に伴う減損損失などを39億円計上したことによる。セオリー事業は、主力商品の販売に苦戦したことに加え、中国大陸で消費意欲の低下の影響を受けたことで、減収減益となった。プラステ事業はワイドパンツやシアーセーターなどの販売が好調で、大幅な増収増益。コントワー・デ・コトニエ事業は、減収だったが、売上総利益率と売上高販管費比率がともに改善し、事業利益の赤字は半減した。

2026年8月期の連結業績は、売上収益3兆7500億円(10.3%増)、営業利益6100億円(8.1%増)、税引前利益6600億円(1.4%増)、当期利益4350億円(0.5%増)を見込む。

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