いなげや第3四半期は微増収確保もマイナス60%超の大減益

いなげやは、2月7日に2017年3月期第3四半期までの業績を発表した。

第3四半期連結累計期間(2016年4月1日~12月31日)における経営成績は、前年度および当年度における新設店等の寄与もあり、営業収益が1972億9700万円(前年同期比1.0%増)、売上高が1904億2800万円(同0.9%増)と、それぞれ増収を確保した。

しかし、青果においては節約志向への対応、鮮魚においては資源減少に伴う相場高の影響もあり、売上総利益率は0.3ポイント低下し、売上総利益は520億1800万円(0.2%減)と減益になった。

販売費及び一般管理費は581億3000万円で2.7%増加。いなげやではその要因を次の通り挙げている。

1.売上げ増加に伴う費用の拡大
2.社会保障制度変更に伴うパートタイマー雇用者の契約変更と契約単価のアップ
3.人材確保に伴う派遣労働者の手当てなどでの人件費の上昇
4.新規設備投資に伴う諸経費の増加
5.税制改正による外形標準課税の増加

以上の結果、営業利益は7億5600万円(65.2%減)、経常利益は9億4000万円(61.1%減)、当期純利益は3億8700万円(67.9%減)となった。

経常利益は落ち込み、通期計画の25億円に対する進捗率は37.6%にとどまった。

いなげやは、前第2四半期累計(2016年4月~9月)で、1978年の上場以来、上半期としては初めてとなる3億9400万円の営業赤字(前年同期は7300万円の黒字)を計上した。
ちなみに、第3四半期の包括利益は121億5000万円となり、前年同期比28.8%となった。

こうした状況を打開すべく、同社が切り札として期待を寄せるのが、2016年6月に東京都東村山市に稼働させた精肉PCと惣菜センター。新しいインフラを活用し、調理・加工の強化にとどまらず、素材の調達にまで踏み込み、商品力強化に取り組む。

いなげやでは、2016年4月にスタートした新中期2カ年経営計画のもと、「商品経営への転換」をスローガンに、「ヘルシーリビング&ソーシャルマーケット」(食と人を通し、地域のお役立ち業として社会に貢献し、お客さまが健康に歳を重ねて人生の楽しさや喜びを感じていただける、なくてはならない店)をテーマにした次世代志向の新たなスーパーマーケットづくりに挑んでいる。

セグメント別動向では、スーパーマーケット事業の売上高は1587億7400万円(0.3%増)、営業損失400万円(13億5900万円の営業利益)となった。既存店売上高は、前年同四半期比1.4%減で推移した。

スーパーマーケットでは「Ready to」、「シニア」、「健康」、「地産地消」を基本方針として、惣菜を中心に、生鮮が強化された「快適で楽しい食と買い物の空間」の構築、「食の豊かさと温もりを感じさせる新たな店づくり」を推進している。

ドラッグストア事業の売上高は307億2600万円(5.2%増)、営業利益6億1800万円(22.2%減)となった。
駅前・繁華街への出店を行い、新業態フォーマットを構築した。
ヘルス・ビューティーの専門性を強化し、お客の健康と美をサポートする態勢を整えた。

通期は、売上高2600億円(1.0%増)、営業利益23億5000万円(29.2%減)、経常利益25億円(32.1%減)、当期利益4億円(57.8%減)を見込んでいる。

いなげやは、今年で創業116年。2016年6月末現在の総店舗数は139店舗となっている。第4四半期が正念場だ。頑張ってほしいものだ。

<ブルーミングブルーミー ららぽーと立川立飛店>
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