H2Oニュース|売上高9012億円・1.6%減も純利益は3期連続過去最高

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(鈴木篤取締役社長)の2017年3月期業績が発表された。連結売上高は、9012億2100万円で前期比98.4%の1.6%減、営業利益は225億4200万円(5.4%減)、経常利益は217億2500万円(5.8%減)と減収減益。

ただし当期純利益は、イズミヤのGMS店舗や堺北花田阪急などの店舗等閉鎖損失として29億2100万円を計上したが、土地売却益として42億9500万円を特別利益に計上したこと、さらに繰延税金資産の計上額が増加したことから142億9800万円、前期比101.7%となった。これは3期連続で過去最高。

セグメントは2017年度から、これまでの「百貨店事業」「スーパーマーケット事業」「イズミヤ事業」「その他事業」の4区分を、「百貨店事業」「食品事業」「不動産事業」「その他事業」の4区分に変更した。

第1の百貨店事業は、㈱阪急阪神百貨店だが、その売上高は4276億4400万円(99.2%)、営業利益は159億9300万円(96.2%)と減収減益。
都市部の店舗における大規模改装を進め、ターゲットとする顧客層の需要喚起を促したが、円高が進んだことで企業業績の悪化による消費減退、インバウンド需要の落ち込みなどから、売上高は昨年を割った。

旗艦店の阪急うめだ本店は大規模なリニューアルが進められているが、9月には新たに5、6階の婦人服を改装した。阪急メンズ大阪を含めた阪急本店の売上高は、2205億1500万円、前期比101.0%で着地した。また、阪神梅田本店は建て替え工事に伴う客数減少が影響し、売上高は558億3000万円で、前期比94.8%。

第2のスーパーマーケットおよび食品製造を含む「食品事業」の売上高は4094億5400万円、営業利益は39億7700万円。
食品事業では組織再編を行い、生鮮・加工食品の共同調達や相互供給の拡大など再構築に取り組んだ。一方、食品事業では、イズミヤが既存店の改装による営業力強化や建て替えに伴う店舗一時閉鎖を当初計画から前倒しして実施するとともに、阪急オアシスも既存店改装や新店出店などに取り組み、マイナス幅は最小限に抑えた。

またイズミヤ㈱は、店舗運営と不動産の管理・開発の役割の明確化を図るため、2016年7月1日付で小売事業を担う新会社イズミヤ㈱と不動産事業を担う㈱エイチ・ツー・オーアセットマネジメントに分社化した。そのイズミヤは、生鮮品や惣菜売場の拡充を中心とした店舗改装を実施して既存店強化を図ったが、衣料品や住関連商品の売上げが苦戦して、既存店売上高は96.5%。

㈱阪急オアシスは、吹田穂波店(大阪府)をはじめ4店舗を新規出店し、デリカ・ベーカリー部門の直営化や店舗改装を進めた結果、既存店売上高は前期比99.5%を確保。ただし新規出店の影響もあり、営業利益は減益だった。

食品製造を担う㈱阪急デリカと㈱デリカ・アイフーズを合併し、業務の効率化と生産性の向上を図っている。

第3の不動産事業は、売上高99億7700万円、営業利益50億3800万円、第4の「その他事業」は売上高541億5100万円、営業利益28億6300万円。

阪急うめだ本店は2000億円を超える超巨大百貨店としてのパワーは関西随一、阪急オアシスはアッパーグレードのスーパーマーケットとして、これまた日本随一。これらが原動力となって、関西をけん引する企業であることは間違いない。

検索ワード:H2O 阪急阪神百貨店 イズミヤ 阪急オアシス 阪急デリカ

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