アルフレッサニュース|医薬品卸2位企業は年商2.6兆円の1%減、経常21.4%減
(株)アルフレッサホールディングス(東京都千代田区、久保泰三代表取締役社長)は、2017年3月期の決算を発表した。
2003年9月に(株)アズウェル(大阪府)と福神(株)(東京都)が株式移転により、経営統合。「アルフレッサ ホールディングス株(株)」として設立。以降、企業M&Aを繰り返して、業容を拡大させてきた。医薬品卸売業界のランキングでは、メディパルホールディングスに次ぐ第2位。
売上高2兆5518億0100万円(前年同期比▲1.0%)、営業利益332億2800万円(▲26.6%)、経常利益436億2800万円(▲21.4%)、当期純利益308億9300万円(▲11.7%)となり、減収減益となった。
営業利益率は1.3%、経常利益率は1.7%。
2016年4月に「16-18中期経営計画明日への躍進」を発表し、グループ経営方針(Challenge3)として掲げた「グループ一体となった事業強化」「健康・医療関連領域の拡充」「環境変化に先駆けた事業モデルの変革」という、3つの施策に取り組んだ。
セグメント別業績は以下のとおり。
第1に、医療用医薬品等卸売事業は、「営業改革・物流改革の推進」「グループ全体最適の追求」および「流通改革の推進」に取り組んだ。連結子会社のアルフレッサ(株)(東京都千代田区)は、2016年7月に連結子会社のティーエスアルフレッサ(株)(広島市西区)の九州エリアにおける医療用医薬品等卸売事業を統合した。2016年10月には東海地方を営業エリアとする当社連結子会社のシーエス薬品(株)(名古屋市中区)を合併した。
物流面では、アルフレッサ(株)が2015年に稼働した大阪物流センター(大阪市北区)に続いて、2016年5月に京都医薬品センター(京都市伏見区)を稼動した。
成長分野は、医療機器・診断薬等の医療関連商品への取り組みを強化した。希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器等の流通事業を行うために設立したエス・エム・ディ(株)(東京都千代田区)を起点として、アルフレッサグループと富田薬品(株)(熊本市中央区)ならびに(株)モロオ(札幌市中央区)の連携を強化した。
その結果、医療用医薬品等卸売事業は売上高2兆2514億3400万円(前期比1.7%減)、営業利益279億2800万円(同31.9%減)となった。
第2に、セルフメディケーション卸売事業は、「さらなる事業基盤の強化」「付加価値営業の強化」に取り組んだ。物流改革によるコスト削減を徹底した。得意先に新たな付加価値を提案するソリューション型商談会を開催し、利益率の高い専売商品の品揃えを拡充した。グループのシェアの上昇等もあり、安定的な利益を確保した。
このセルフメディケーション卸売事業は、売上高2513億5500万円(2.6%増)、営業利益21億2700万円(66.0%増)となった。
第3に、薬品等製造事業は、「製造受託・医薬品原薬事業の推進」「製品ラインナップの拡充と販売力強化」「海外事業の拡充」に取り組んだ。2016年4月、製造受託事業を行うサンノーバ(株)(群馬県太田市)を当社の連結子会社とした。グループ全体で製造受託の新規契約獲得への取り組みを強化し、製造受託の原価低減を推進した。
薬品等製造事業の中の医薬品原薬事業は新規の生産設備の導入や新製品の開発に努めた。子会社のアルフレッサファーマ(株)(大阪市中央区)は、2016年7月にサノフィ(株)(東京都新宿区)と共同開発した抗てんかん薬「サブリル®散分包500mg」を発売した。2017年2月にアークレイ(株)(京都市中京区)と共同開発した全自動便尿分析装置「AA01」を発売した。
また中国市場における手術用縫合糸等の需要の拡大に応えるため、アルフレッサファーマ(株)は、2016年11月、同社子会社の青島耐絲克医材有限公司(中国・山東省青島市)の敷地内に新工場棟を竣工した。
結果として、薬品等製造事業は、売上高414億1900万円(前期比31.3%増)、営業利益25億9500万円(同44.0%増)となった。
さらに第4に、医療関連事業の調剤薬局事業子会社は、2016年4月の薬価改定および調剤報酬改定による影響等があり、厳しい状況となった。効率の改善を目的として、グループ内の連携を推進した。
こちらは売上高302億6700万円(▲3.4%)、営業利益5億3300万円(▲52.1%)となった。
2018年の業績については、売上高2兆5950億円(当期比1.7%増)、営業利益342億円(同2.9%増)、経常利益446億円(同2.2%増)、純利益299億円増(同3.2%減)を見込んでいて、増収増益の計画である。
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