千趣会news|上半期(1~6月)は売上高631億円の4.1%減/営業損失12億円
(株)千趣会(大阪市北区、星野裕幸社長)の2017年12月期の上半期決算が発表された。
第2四半期までの連結売上高は、通信販売事業の販売不振が続き、631億8600万円(前年同期比4.1%減)だった。主力の通信販売事業において販売費および一般管理費の削減に努めたが、在庫処分によるバーゲンや処分売上げの増加に伴う売上原価率の上昇によって、営業損失は膨らみ12億4800万円(前年同期は4億0300万円の営業損失)と厳しい内容だった。経常損失は8億4900万円(前年同期は1億8100万円の経常利益)、また減損損失の計上と繰延税金資産の取り崩しにより、純損失62億0800万円(前年同期は1億6200万円の四半期純利益)だった。
主力のカタログ及びインターネットを中心とする通信販売事業の売上高は521億4500万円(6.4%減)で、営業損失は16億1000万円(前年同期は2億8000万円の営業損失)。
売上高の低迷は、⑴アパレルの実需期購入傾向が強まっていること、⑵商品が同質化していること(どこでも同じような商品が売られていること)、⑶スマホ経由受注が増加したが、カタログやPCの受注減分を補いきれていないこと、⑷カタログ効率化のため配布先の見直しを行い、カタログ部数・頁数の削減(売場面積の減少)を実施したが想定より売上げが減少したこと、と4つの理由を挙げている。
千趣会は「ウーマン スマイル カンパニー」を企業ビジョンに掲げ、カタログやオンラインショップを通じた総合通販「ベルメゾン」を基幹事業としている。なかでも、カタログ通販からECへビジネスモデルを変え、資源の集中を図ろうとしているが、残念ながら結果が出ていない。
また今日、千趣会の100%物流子会社であるベルメゾンロジスコの発行済株式の51%を住友商事の子会社である住商グローバル・ロジスティクス(株)に譲渡すると発表している。千趣会は住商グローバル・ロジスティックスとの効率的な物流体制への移行を進める一方で、「ベルメゾン」事業の業績回復を急ぐ。しかし、風前の灯であることは上半期の数字が示している。
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