バローNews|上半期2705億円5.6%増/改装17店もスーパーマーケット減益

㈱バローホールディングス(岐阜県多治見市、田代正美社長)が2018年3月期の第2四半期決算を発表した。

営業収益2705億1100万円(前年同期比5.6%増)、営業収益67億8400万円(12.5%減)、経常利益74億5500万円(11.3%減)、四半期純利益46億8300万円(17.3%減)となった。

今期はバローホールディングスの中期経営計画の最終年度。中計では2018年3月期で、「営業収益5500億円」「営業利益210億円」「経常利益220億円」「当期純利益 130億円」を目標にしている。

この目標達成のために、スーパーマーケットの既存店強化やインフラの効率的活用を図る「構造改革の推進」、ドラッグストアおよびホームセンターの業容拡大を目指す「成長ドライバーの育成」、事業会社の成長とガバナンス強化を促す「組織基盤の強化」に取り組む。主要事業の収益改善の柱である「競争力あるフォーマットの確立」を掲げた。

ドラッグストアおよびホームセンター事業が堅調に進捗したのに対し、スーパーマーケット事業では店舗改装を進めたものの、収益構造を変えるまでには至っていない。ドミナントエリアを中心に競争の影響を受けるなど進捗に遅れが見られる。バローホールディングスの事業の中で最も構成比が高いスーパーマーケット事業の利益率が低いことは問題だろう。

そのスーパーマーケット事業の営業収益は1716億2300万円(3.8%増)、営業利益は39億3300万円(20.2%減)となった。店舗競争力の強化や商品力の向上に取り組んだ。既存店の強化を課題とするスーパーマーケットでは、旗艦店としての役割を担って地域最大のシェアを獲得できる条件が揃った店舗と、その他店舗とを分けたうえで、17店舗で改装を行った。

商品力の向上を目的に2017年3月に開設した惣菜専門店「デリカキッチンKITTE名古屋店」に続き、9月に「デリカキッチン近鉄パッセ店」を開設した。新店舗5店舗を加え、9月末で280店舗体制。事業全体では増収となったものの、既存店売上高は2.1%減。増加した人件費や新店・改装費用を吸収できず、事業全体では減益となった。5店舗の新規出店と17店舗の改装投資が利益を圧迫したのだろう。

ドラッグストア事業の営業収益は581億2000万円(10.2%増)営業利益が13億8400万円(6.9%増)と、こちらは増収増益。店舗競争力の強化に向けて、15店舗で改装を行ったほか、愛知県、岐阜県を中心に13店舗を新設するなど高水準の出店を続け、9月末の店舗数は350店舗となった。同事業においては、食品や調剤部門が好調に推移したほか、医薬品や化粧品の販売にも堅調な動きが見られ、中部薬品㈱の既存店売上高は前年同四半期比で4.3%増加した。前期から今期にかけて開設した店舗も寄与したほか、主要部門の伸長が売上総利益率の改善につながった。

ホームセンター事業の営業収益は271億7800万円(9.3%増)、営業利益が13億7900万円(7.5%増)。同事業では、建築資材や農業資材を拡充して専門性を追求するとともに「地域一番店」を目指して、自動車タイヤ交換やペット用品など、暮らしを支えるカテゴリーを強化した。1店舗の新店舗開設があり、9月末店舗数は36店。

スポーツクラブ事業の営業利益は55億7100万円(7.9%増)、営業利益は3億4100万円(2.6%増)。新店舗開設が12店舗、閉店が1店舗。店舗数は86店。流通関連事業の営業収益は48億4400万円(0.6%減)、営業利益は20億3900万円(6.2%増)。

組織基盤の強化については、「働きやすい会社」の実現に向けて2017年7月にバローホールディングスを含むグループ企業4社に勤務する社員(管理職を除く)を対象に「勤務地選択制度」を導入した。また多様な人材の活躍支援の一環として、可児事務所に企業内保育所「スマイルネストバロー広見保育園」を併設している。

バローの積極出店がスーパーマーケットとドラッグストアの収益を分ける決算となった。

検索ワード:バロー 中部薬品 決算 2018年3月

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