バローnews|第3Q 4135億円4.6%増・人件費と改装コストで4.4%経常減益
㈱バローホールディングス(岐阜県多治見市、田代正美社長)が2018年3月期の第3四半期決算を発表した。
売上高は4135億4600万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は111億1700万円(6.6%減)、経常利益は122億7600万円(4.4%減)、そして四半期純利益は10.3%減の75億7400万円だった。12月末段階で、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、フィットネスジム、ペットショップなど792店舗を展開する。
第3四半期段階の営業利益率は2.7%、経常利益率は3.0%だ。
主力のスーパーマーケット事業の営業収益は2628億8000万円(2.8%増)、営業利益67億9900万円(5.4%減)。また既存店売上高は1.9%減少した。子会社化した山梨県のローカルスーパーマーケット(株)公正屋が寄与したことと、惣菜の製造・販売事業が伸長したことで、事業全体では売上げ増となったが、人件費や新店・改装費用等の増加で減益になっている。
24店舗で改装を実施した。また新店は8店舗、閉店は2店舗で、スーパーマーケットの店舗数は281店舗と、店数ではライフオーポレーションを上回っている。ちなみに、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは510店を超える。
ドラッグストア事業は営業収益886億300万円(9.6%増)、営業利益17億4200万円(6.1%減)。22店舗で改装を行い、愛知県・岐阜県を中心に24店舗を新設した。閉店は3店舗だったため、ドラッグストアの店舗数は358店にまで伸びた。また既存店売上高も3.9%増加した。ただし、スーパーマーケット事業と同様、人件費や新店開業費用を吸収できず、増収減益に終わった。
注目すべきは、2017年9月新設の「V・drug岐阜県庁西店」(岐阜県岐阜市)。同店では、食品部門を拡充し、グループ会社による運営を行っている。惣菜売場は、中部フーズ(株)が店内製造・販売業務を担い、青果・精肉売場は(株)タチヤが運営している。10月に移転新設した「V・drug高山中央店」(岐阜県高山市)でも惣菜売場を導入するなど、食品部門の強化を進めている。
ホームセンター事業は営業収益414億3400万円(6.9%増)、営業利益は20億6900万円(1.2%増)の増収増益。2017年4月、「HCバロー浜松浜北店」(静岡県浜松市浜北区)で静岡県への初進出を果たしている。店舗数は36店で、既存35店の売上高は3.4%増と好調だ。
バローホールディングスでは、2017年7月に、グループ企業4社に勤務する一般社員を対象に、「勤務地選択制度」を導入した。また9月には、可児事務所(岐阜県可児市)に企業内保育所「スマイルネストバロー広見保育園」を併設するなど、採用難のなかで、働きやすい環境整備に努めている。
スーパーマーケットは、ドラッグストアの食品強化によって価格競争が激しくなったと嘆いている。しかし、バローの、グループ資産をフルに活用する食品強化策を見ると、スーパーマーケットは本来の機能を見直して、価格だけでなく、商品力の競争をも視野に入れる必要があるだろう。当然のことだが。
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