関西スーパーnews|H2O傘下となってイズミヤ・阪急オアシスを子会社化
(株)関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市、福谷耕治社長)は8月31日(火)付で、エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(以下H2O、大阪市北区、荒木直也社長)の子会社となる経営統合に関して契約を締結すると正式に発表した。H2Oも同時に同じ内容のリリースを発した。
関西スーパーは9月下旬に、100%子会社の分割準備会社を設立する。事業会社としての分割準備会社は現在の関西スーパーの事業を継承していく。
10月29日開催予定の関西スーパー、イズミヤ及び阪急オアシスの臨時株主総会による本株式交換契約の承認を受けたうえで、2021年12月1日、株式交換の効力が発生する。その時点で関西スーパーは会社分割によって中間持株会社となる。そして事業を継承した分割準備会社が、持株会社の傘下に入る。それとともに、H2Oの連結子会社であるイズミヤ(株)、(株)阪急オアシスも、その持株会社の完全子会社となる。これによってイズミヤと阪急オアシスはH2Oの孫会社という形になる。
そして2021年2月に吸収分割効力が発生して、3社は経営統合を完了する。
福谷耕治現関西スーパー代表取締役社長は、分割準備会社の代表取締役社長に就任するが、12月1日付けの株式交換効力発生日に代表取締役を退任する。
関西スーパーは、2016年10月27日にH2Oと資本業務提携契約を結び、主に関西スーパー店舗におけるH2Oグループの商品の取り扱いや「Sポイント」サービスの導入を行ってきた。スーパーマーケットはコロナ特需が追い風となって好業績を上げているが、少子高齢化、人口減少といった社会環境の変化による小売市場の縮小や、ECサイト、他業種の生鮮食品販売への参入など近畿圏の競争環境は厳しい。
関西スーパーの2021年3月期の連結売上高は1289億円、イズミヤは売上高1330億円、阪急オアシスは1107億円。3社の単純計算ではH2Oの食品スーパーマーケットグループの売上高は3727億円と関西でトップクラスになる。
あの関西スーパーが、阪急百貨店と阪神百貨店の統合会社の完全子会社となる。感慨深い。H2O子会社の阪急オアシスにはすでにニッショーストアが吸収されていて、かつてオール日本スーパーマーケット協会(AJS)加盟企業のリーダーシップを握っていたトップ2社が今回、経営統合することになる。それにイズミヤまでが統合される。
時代は進む。「コロナは時間を早める」。
H2Oは先に㈱万代と資本の伴わない包括的業務提携をしているが、「オール関西は阪急と阪神のH2Oで牽引する」といった趣向だろうか。
その万代は年商3676億円で、㈱ライフコーポレーションの近畿圏の年商は3758億円。この2社とH2O傘下の新しい関西スーパーの持株会社はほぼ拮抗するスケールとなる。
関西スーパーの役職員諸君には「商人の本籍地と現住所」という言葉を贈ろう。北野祐次・水谷久三のイズムは永遠に本籍地として輝き続ける。その本籍地の輝きを失わず、新しい現住所でさらに光らせてほしいものだ。