ヤオコーnews|千葉県のスーパーマーケット「せんどう」と資本業務提携
(株)ヤオコー(埼玉県川越市、川野澄人社長)は9月13日(月)開催の取締役会において、千葉県を本拠とするスーパーマーケット企業(株)せんどう(千葉県市原市、木口宣道会長兼CEO)との間で、資本・業務提携を行うことについて決議したと発表した。
せんどうは、生鮮食品に強みを持つスーパーマーケット24店舗とドラッグストア1店舗を運営し、千葉県市原市を中心にドミナントエリアを形成している。
今後、少子高齢化、Eコマースの脅威など、スーパーマーケット業界を取り巻く事業環境がますます厳しくなることが想定されるなか、両社はスーパーマーケットの事業を通じて、「地域のお客さまの食生活をより豊かにしたい」という経営が目指す方向性が合致していることから、互いに切磋琢磨して、さらなる成長を目指すことを決断し、資本・業務提携を行うこととした。
せんどうの株式を取得した後に、業務提携の具体的な内容を検討していく。
既存株主から相対取引により、ヤオコーはせんどうの株式8636 株を譲り受ける。その結果、せんどうに対する議決権比率は43.18%となり、せんどうはヤオコーの持分法適用会社となる予定だ。取得価額は、非開示である。
なおヤオコーからは深澤雄輔経営企画室長がせんどうに出向する人事が発表されている。
せんどうの2021年3月期は、コロナ特需もあり、売上高が489億9200万円(前年比5.4%増)、営業利益18億6300万円(108.4%増)、経常利益20億1000万円(64.3%増)、純利益15億0100万円(53.0%増)の増収大幅増益を達成している。
㈱せんどうはボランタリーチェーンの日本セルコグループに加盟していて、千葉県のリーダー企業である。㈱千葉セルコの有力メンバーで、かつてこのグループを商人舎最高顧問だった故杉山昭次郎先生が指導していたので、私もご一緒して何度か訪れたことがある。生鮮食品の鮮度を生命線とする地場スーパーマーケットである。発刊したばかりの月刊商人舎9月号の「流通時評」で、「コロナは経営統合を早める」と書いたばかりだ。私は予言者ではないが、またしても言ったとおりになった。せんどうは500億円弱の売上高規模を千葉県に集中している。ヤオコーが千葉のドミナントを強化するにはうってつけの資本業務提携相手だ。せんどうの側も、ヤオコーのマネジメントや店づくり、マーチャンダイジングを吸収して、より良い地域密着を目指す。いいM&Aであるが、これがさらに全国の食品スーパーマーケットの経営統合を早めることになる。