ライフコーポレーションとヤオコーは惣菜子会社糾合しベニマル・ライフフーズは独立性を保持
ライフコーポレーションの今日の発表は意味が深い。
連結子会社の惣菜専門製造企業「日本フード㈱」の吸収合併。
2014年2月期の日本フードの決算は、売上高88億5900万円。
営業利益は3億5900万円で、経常利益は4億3300万円。
だから、経常利益率4.49%の優良企業。
当期利益も2億5100万円。
1985年、同社の川口フーズセンターとして開設され、
低温物流事業と惣菜・米飯製造事業を開始。
その後、㈱エルラインとして事業独立。
さらに1995年、物流事業をライフコーポレーションへ移管。
この時点で、惣菜・米飯製造専業となる。
その後、機能を充実させて、2007年、 日本フード株式会社に社名変更。
2008年には ISO9001の認証を取得するなど着実に成果を上げて、
2012年、 株式交換により、ライフコーポレーションの完全子会社となった。
それを今度は、吸収合併する。
つまり、生鮮食品や日配食品、加工食品などとの連携を強め、
スーパーマーケットとして「意思決定の一体化と迅速化を図る」のが目的。
この動きは、業務提携関係にある㈱ヤオコーと軌を一にする。
ヤオコーは2015年4月1日付で、惣菜子会社の㈱三味を吸収合併し、三味は解散する。
これも、惣菜デリ部門のさらなる充実に向けて、生鮮部門との連携強化を企図したもの。
もちろん人材の訓練や教育手法の共有化も果たされる。
ヤオコーは、1998年に狭山店をミールソリューション型店舗モデルに全面改装。
2001年には、同社のいう「デリカ部門」を事業部化。
2003年にはヨークベニマルの惣菜子会社ライフフーズ常務から招へいした小平昭雄氏を社長にして、 惣菜・寿司・インストアベーカリーの子会社として分社化。
事業部門として創設し、いったん分社化して機能充実させ、さらに統合して、生鮮と連動させる。
これはライフフーズと同じルートを辿った政策だ。
一方、ヨークベニマルのライフフーズは、独立企業として躍進している。
1959年、(株)ヨークベニマルの食品工場として創業。歴史は古い。
1969年には、日の丸食品(株)として独立。
1970年、第一工場を新築し、本社移転。
その後、1971年にはイトーヨーカドー平店に惣菜コーナー第1号をオープンさせ、
1975年には、第二工場新築と同時に、汚水処理施設を新設。
1970年代後半は、ベーカリー部門や寿司部門をラインロビングし、
1981年(株)ライフフーズへ商号変更。
1987年にはベーカリー新製パンシステムを実験し、翌年、ベーカリー工場新設。
1994年には、宮城生協へモンペリエを出店するなど、他社との取組みも強化。
2002年、仙台ファクトリー、2006年、郡山第2ファクトリー稼働。
そして2013年郡山第3ファクトリーを稼働させ、本社社屋を移設・新築。
ライフフーズは、もう既に人材を独自に採用し、ベニマル本体からの受け入れも行っていない。
つまりインディペンデントな企業として機能を持つものだ。
ここがライフコーポレーションやヤオコーの惣菜子会社の経営統合とは異なる。
まず子会社として独立させ、それを糾合していくという手法は一つのセオリーである。
ライフコーポレーションとヤオコーはそれを行い、ヨークベニマルは完全独立会社とする。
どちらの政策も、それぞれに正しい。
不都合なことが起こったら、それを改めればいいだけのこと。
ただし、子会社を独立させて、やがて上場させる。
そのくらいの構想を持った方が、スケールの大きな仕事ができるものだ。
それから最後にひとつ。
子会社であっても、そこには社長がいる。専務も工場長もいるかもしれない。
トップマネジメントの訓練をするには、留学などの帝王学よりも、
子会社の社長を経験させるのが一番いい。
その意味で子会社は人財養成機関として、大いに役に立つものだ。
〈結城義晴〉
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