マツモトキヨシとスーパー大栄がコスモス薬品対策でフランチャイズ契約締結

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マツモトキヨシホールディングスは、事業会社のマツモトキヨシ(本社:松戸市)が北九州市のスーパー大栄とフランチャイズ契約を締結したと発表した。


今回の締結は、フランチャイズ・パッケージによってドラッグストア事業を行うフランチャイズ契約となる。

スーパー大栄は31店で年商230億円のローカルスーパーマーケット。今回の締結で、マツモトキヨシの物流網から医薬品や化粧品などを仕入れることで、直営のドラッグストア「ゆめドラッグ」(仮称)を開設・展開していく。「ゆめドラッグ」1号店は9月上旬に、北九州市八幡地区にスーパーマーケットと併設して出店される予定。

マツモトキヨシHDの平成26年3月期の連結売上高は4953億8500万円、経常利益は245億14万円。日本のドラッグストアでは第1位企業だが、日本小売業ランキングでは19位。まだまだ5000億円弱。アメリカのCVSケアマークやウォルグリーンの20分の1。

それはまだまだ伸びシロがあるということを意味している。従ってマツモトキヨシHDでは、「事業規模の拡大」を中長期的な経営戦略としている。そこで直営店舗の新規出店だけでなく、M&Aの推進、フランチャイズ事業の拡大、異業種企業との連携を積極的に展開し、全国ネットワークを拡大し、各エリアでのドミナント化を進めている。

業務提携企業は、サッポロドラッグストアー(北海道)、中部薬局(岐阜)、ローソン(東京)、コメヤ薬局(石川)など。
また主なFC加盟企業はベスト電器(福岡)、サンエー(沖縄)、キョーエイ(徳島)、オークワ(和歌山)、イズミ(広島)、遠鉄ストア(静岡)、コーナン商事(大阪)など、各地のそうそうたる企業が名を連ねる。

フランチャイズ契約の代表は、沖縄県におけるサンエーとのエリア・フランチャイズ契約。

サンエーの場合は「マツモトキヨシ」バナーを沖縄県内で展開するが、今回のスーパー大栄は商品供給が主な契約内容となる。

一方、九州はコスモス薬品が食品を扱うドラッグストアとして驚異的な躍進を続けている。
そのコスモスの2014年5月期決算は売上高3718億2500万円、経常利益181億9300万円。なんと5月期決算で、ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングス、ココカラファイン、スギホールディングスをごぼう抜きして、ドラッグストア業界第3位の躍り出た。どの経営指標もマツキヨを急追。間にいる第2位はサンドラッグ。

しかもコスモスの本拠地九州では、どこよりも激しい低価格競争が繰り広げられている。

今回の締結は、両社にとってのコスモス薬品対策でもある。

直営主義のコスモス薬品に対して、M&Aや企業連携ネットワーク主義のマツモトキヨシ。岡目八目で見ると実に面白い競争だが、それが日本のドラッグストア業界にダイナミズムをつくっている。

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