無印良品が現地小売企業と合弁会社設立しインド進出

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㈱良品計画(本社 東京都豊島区/代表取締役社長 松﨑 曉)が、インド共和国における無印良品事業の展開を目的に、Reliance Brands Limited(本社 マハラシュトラ州ムンバイ市/President & CEO Darshan Mehta、PBL社)と合弁会社設立について基本合意したと発表。

インドは、中国に次ぐ世界第2位の12億人を超える人口を有する。近年は、英語力を生かしたITビジネス従事者が急増し、世界的なアウトソーシングの重要なバックオフィスになっている。その結果、中間層およびアッパーミドル層が急増。2011年に発表されたアジア開発銀行の予想では、2025年には人口の7割が中間層を占めるとされる。それだけ有望な市場だ。

アメリカのウォルマートは2007年に、現地財閥バーティ・グループと提携して、折半出資の合弁会社バーティウォルマートを設立した。その後、2009年からメンバーシップホールセールクラブのサムズクラブのインド版「ベスト・プライス・モダン・ホールセール」の出店を開始。しかし2013年、バーティとの合弁を解消。100%出資が可能な卸売業で、この人口第2位の国を攻める方針を持っている。
つまり一般消費者を対象にしたスーパーセンターのフォーマットは、2012年にインド政府が総合小売業分野で外資の51%出資を認める緩和策を決定したが、それでも仕入額の30%相当を地場中小企業から調達しなければならない「30%ルール」などがあって、今なお条件は整わない。

一方、単一ブランドを販売する小売業に対しては、2012年から全額出資の現地法人の設立も可能になるなど、段階的に規制緩和が進む。
こうした背景から、良品計画では、インドにおける無印良品事業を展開するための準備を進めていた。

合弁相手であるRBL社は、2007年10月の設立。インド最大の民間企業であるリライアンス インダストリーズ グループに属し、アパレルを中心とした小売事業をインド国内で展開する。
このリライアンスグループのノウハウと資産を活かし、合弁事業によって無印良品事業を立ち上げる。

出資比率は良品計画が過半の出資を行う。今後は、RBL社との合意内容をもって外国投資促進委員会(FIPB:Foreign Investment Promotion Board)にFDI (Foreign Direct Investment=外国直接投資)を申請する予定。

良品計画の2015年2月期の年商は2602億円。
期末店舗数は、国内直営店284店舗、商品供給店117店舗。海外店舗が意外なほど多くて、301店舗。
その内訳は、イギリス12店、フランス12店、イタリア9店、ドイツ8店、アイルランド1店、スウェーデン7店、ノルウェー4店、スペイン6店、トルコ2店、ポーランド1店、ポルトガル1店、U.S.A.9店、カナダ1店、香港14店、シンガポール9店、マレーシア4店、韓国14店、中国128店、台湾33店、タイ11店、オーストラリア2店、インドネシア2店、フィリピン7店、クウェート1店、UAE3店。
世界第1位の人口を有する中国の128店が飛びぬけているが、ここに人口第2位のインドが加わることになる。「MUJI」はユニクロ以上にグローバルブランドなのである。

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