イトーヨーカ堂news|惣菜の新ブランド「YORK DELI」開始/構成比15%目標
(株)イトーヨーカ堂(東京都千代田区、山本哲也社長) は5月22日(水)から、新たな惣菜ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げた。イトーヨーカドー・ヨーク約100店舗の惣菜売場において、新ブランドの商品展開で刷新をする。また、刷新に伴う改装は62店舗で実施する予定。
ヨークデリでは商品面では、特に店内製造となる弁当、寿司、温惣菜では米と酢と店内調理の3つにこだわった。
米は「八代目儀兵衛」が監修したブレンド米を使用する。低温精米の採用と、浸漬から炊飯までこだわった製法により冷めても甘味が出るようにした。酢では、オリジナル配合の酢を商品ごとに使用する。イトーヨーカ堂は5種の原酢で酸味と旨味のバランス、ヨークでは赤酢と昆布だしで素材の味を引き出すといったように変化をつけている。
店内調理の面では素材の味を引き出す設備と調理法を採用する。特に玉子焼では専用機の導入で、ふんわりとした柔らかい食感と、製造時間の短縮化を実現した。6月以降102店舗。だし巻玉子、だし巻玉子入り焼鳥重などの弁当に活用されている。
また、地域の味を再現する地元メニューの開発を行っている。例えば、大森店では地域の給食メニューである「たこぺったん」を店内調理で販売する。
また、煮物や冷惣菜などはセントラルキッチンのピースデリの製造となる。
また、従来、惣菜売場の販促物や容器などが不統一であるために、商品価値が十分に伝わっていないという課題から、セブン&アイグループのプライベートブランド(PB)のブランディングを手掛けるクリエイティブディレクター佐藤可士和氏の監修により、ロゴ・容器・販促物などを統一した。ハトマークのロゴは商品すべてに貼付される。
山本哲也社長は「今まで、グループ戦略の軸である食へのフォーカス、首都圏事業の統合・再編、戦略的投資インフラの活用を進めてきた。今年4月からは提供価値の再定義による差別化と成長戦略の方向性を明確にした。売上げと利益を上げるアクションプランとしてヨークデリに至った」と経緯を語った。
伊藤弘雅取締役執行役員商品本部長は、ヨークデリのブランドの考え方について「1967年、最初の衣料品のプライベートブランド(PB)1号である名前からとったもの。デリはデリカテッセン、デリシャス、デリバリーの意味を含んでいる。『毎日食べたい』おいしさをブランドステートメントとしている。また、ブランドのビジュアルにあるハトマークについてお客さまからの信頼はまだ高い。そして、一番のお客さまは働く人だ。その自信と誇りを取り戻したい」と語った。
目標では惣菜の売上構成比を現状の13%から15%まで上げるとしている。金額では約90億円の上積みだ。現在のアイテム数は店内製造と、ピースデリを含むアウトパックを合わせて250アイテム。今後は300アイテム程度に拡大をしていく。